Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

ベースでもパワハラはあります(4)理不尽なカウンセリング=追い出す準備 2/2

前回の記事では、私が勤務していた施設の事実上のナンバー2のポジションにいたフィリピン人・メグの指示により、スーパーバイザーが私に理不尽なカウンセリングシートを出そうとしたところまで書きました。

サイン拒否

Signature


「このことで私をカウンセリングすると決めたのは、あなたではありませんよね?(どうせメグなんでしょ)どう考えてもこんなことでカウンセリングをされて、それが私のレコードに残るのは理不尽だと思います。サインはしたくないからこれからオフィスに行って話をしたいので、その間私の仕事をカバーしてもらえますか?」


私がそうスーパーバイザーに告げてサインを拒否すると、彼女はもう自分がこの件に関わらずに済むとわかったせいか、ほっとしたようでした。そして私はそのカウンセリングシートを借りてオフィスに直行しました。ナンバー1と2(メグ)と、同時に話をするためです。
衝突した場合、守られるのは確実にメグですから無理ゲーにも思われましたが、日本人で英語もメグの10倍うまく話せる私には勝算がありました。

オフィスで直接対決

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オフィスのドアをノックして入っていくと、カウンセリングシートを手にもち憤っている私を見たメグの顔がみるみるうちに青ざめていきました。自分を恐れるあまり声を上げることはないだろうと思っていた大人しい日本人従業員が、これから自分に噛みつこうとしているのですから。
日本語も英語も拙いメグ。
ゆえに従業員とのコミュニケーションもきちんととれず管理しきれなかったメグ。
だけど幹部になれたメグ。
ここから先の直接対決では絶対に彼女は劣勢でした。

「XXXXXをし忘れたということでカウンセリングというのはあまりにも厳しすぎると思います。そもそもXXXXXは私の日常業務とまったく関係ないことですよね。
今後はこの程度のことでカウンセリングされるとなると、ほぼ毎日のようにカウンセリングを受けることになります。きっと明日は「コーヒーにクリーマーを2個使ったからカウンセリングしますよ」と言われるでしょう(薄笑)。
そしたら1か月もたたないうちに私のレコードには10回以上のカウンセリングの履歴が残ります。これでは今後ベースで異動する際に私にとってあまりにも不利益です。いったい何をすればカウンセリングの対象になるのか、ジョン(ナンバー1)もいる今この場で基準をはっきり教えていただけますか?また、今後カウンセリングを気にするあまり萎縮しながら仕事をする私に、よいパフォーマンスを期待されても困りますので、もし何かしでかしても尻ぬぐいはお願いしますね


するとジョンが鼻で笑ったのです。私に対してではなく、メグに。
そして私の手からカウンセリングシートをとってそれを読み「君はこんなことでマリアにカウンセリングシートを出したのか?」とメグに聞きました。
しどろもどろになるメグ。私はこれを待っていました。彼女の英語力では私を理詰めでいい負かすことなど絶対にできないのです。また彼女は日本語も日常会話がなんとかできる程度でした。

弱者の切り札 ”HRO(人事部)”

ジョンはこの件に関しては心配しなくてよい、と言ってくれました。カウンセリングの対象に対してもそれ以上話そうとせず、デスクに戻っていきました。ジョンはメグ側の人間でしたが、メグよりも賢かったのでしょう。「こちらに勝算はない」早々とそう踏んだのです。
ただこれで一件落着だとは思わなかった私は、怒りをこらえながら私と目を合わそうともしないメグにダメ押しをすることにしました。

「そのカウンセリングシート、いただけますか?」

メグもバカではありませんから、これでピンと来たのでしょう。
「HROにパワハラの証拠として持っていかれる」と。私はHROに行ってすべてぶちまけるつもりでいました。この件だけでなくそれ以前にされたことも。

「そのシートをもらって何をするの?」

「HROに行って相談します。このようなバカげたことでカウンセリングを仮に受けたとして、それが私のレコードに残った場合、異動に悪影響はあるのですか?と」

メグが大きくため息をつき観念したかのように「好きにしたら?」と言ってカウンセリングシートを私に返しました。
私がHROに行ったら日本語で日本人の従業員に相談するわけですから、細かいニュアンスまですべて伝わってしまうのです。複数人で相談に行かないと動いてくれないといわれているHROでも、このカウンセリングシートのインパクトは大きかったでしょう。ですから利用しない手はなかったのです。
ただ結局HROには行きませんでした。その代わりに一番お喋りなフィリピン人にわざと「誰にも言わないでね」と言ってこう話しました(フィリピーナにはよくこの手を使います)。

「(カウンセリングシートへのサインを拒否した経緯を話し)HROに行こうと思ったんだけど、今回はジョンが心配しなくていいよって言ってくれたから行かないことにした。でもね、このカウンセリングシートは切り札としてとっておくの。また何かされたら今度こそ行く」

このフィリピーナはもちろんメグに嬉々としてチクリました。私の狙い通りですね(爆)。それ以来メグは私の目を見なくなったし、極力話しかけてこなくなりました。そしてメグに制裁がくだされたのです。自分を何かと守ってくれていたジョンが去り、後任としてやってきたライアンの手によって。


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