私が短期留学していた語学学校が属していた大学には、レイプ坂と呼ばれる場所がありました。
photo by crowderb
こういう名前がつけられてしまう場所は、アメリカの至るところにあると思うのですが、私はこのレイプ坂は昼間しかのぼることがありませんでした。なぜなら語学学校からキャンパスへの一番近い入り口となっていた坂なので、大学の図書館や書店に行く時しか使わなかったのです。
語学学校の授業は毎日14時で終わりましたから、学校帰りにキャンパスに行っても、坂を行き交う生徒達の数はとても多く、怖いと思ったことは一度もありませんでした。
ところが留学生活にも少し慣れて、オンキャンパスに暮らす友人ができた頃、この坂の名前の由来を知ることになるのです。
ある晩のこと。オンキャンパスの寮で暮らすエクアドル人の友人に遊びに来るように誘われて、私は友人と一緒に自転車でキャンパスへ向かいました。もう辺りは暗くなっていました。
友人とこの坂を一緒に上るのはこれが初めてではありませんでした。彼女はいつも坂の下で自転車から降りて、引いてのぼっていました。私は自転車からおりずにうんしょ、うんしょとなんとかペダルをこいでキャンパスまでのぼっていくのが好きでした。お金のかからない貴重なエクササイズでしたから(笑)。
そしてその晩、いつものように私はうんしょ、うんしょとペダルを漕いで坂を上っていると、目の前に大柄な男子生徒が立っていました。
Excuse me. と声をかけられたので自転車を降りて立ち止まりました。彼は私の数メートル下に友人Rがいることに気づくと、「あ、なんでもないや」と言ってキャンパスのほうへ戻っていってしまいました。
おそらく私が一人だったら「キャンパスに不慣れなもので、●●までの道を案内してほしいんだけど・・・」と言って、人気のないところまで連れて行ってレイプしようとしたのだ、とその時私は思いました。そしてこれが「レイプ坂」の名前の由来なのだと思ったのです。
現地の大学に通う生徒だからって信用しちゃいけませんよ。
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