ひょんなことから韓国居酒屋のオーナーママの子供達に英語を教えることになり、そのご家庭に出入りしていた時期があります。
子供達に英語を教えそして宿題を終わらせて、寝かしつけるまでが私の仕事でした。ベビーシッター兼何でも屋みたいな感じ。
「寝かしつけたらその後は私達が帰るまで何をやっていてもいいわ。TVを見ていても本を読んでいてもいいの。それでもお給料はちゃんと拘束時間分払うから」
そういう条件で引き受けたバイトをする中で、へぇと感じたことがいくつかあったので書いてみたいと思います。
韓国人がレタスと言ったらサニーレタスを指す
何でも屋なので、オーナーの家に仕事で向かう前におつかいを頼まれることもありました。
「レタスを買って居酒屋に届けてくれる?」
快諾してレタスを買い、居酒屋に届けました。すると韓国人の店員さんが「マリアさん!韓国人がレタスと言ったらサニーレタスです!」と困惑していました。レシートと商品を持ってスーパーに戻り、サニーレタスを買いなおしました。
韓国人は皆キムチが大好きと思ったら大間違い
出勤すると、オーナーが用意してくれた夕食を私と子供達で一緒に食べるのですが、子供達はキムチを食べないのです。そもそもキムチの盛り合わせは私の分しか用意されていない。
「キムチ嫌いなの?」と聞いたら「辛くて食べられない」と言われました。あの美味しさがわかるのは何歳くらいからなのでしょう。そして彼らが好んで食べたものが、カレーやシチュー、ハンバーグなど血糖値が急上昇しそうなものばかり。やはり子供が好きなものというのはどの国も似たようなものなのかなぁと思いました。
日本人にウケる韓国料理を出すと韓国人客の足が遠のくという葛藤
ある日ママが頭を悩ませていました。
「明日は息子の幼稚園の運動会。お弁当を持たせなくちゃいけないんだけど、日本人のお母さん達は冷凍食品を使ってカラフルなお弁当を作ってくるでしょう?こういうものを入れたお弁当じゃ、息子が可哀相」
ママが「こういうもの」と指したものに目をやると、私の大好きな甘辛く煮付けた生わかめやら豚挽肉のそぼろ、もやし/人参のナムルが用意されている!!!!確かにキャラ弁に比べたら子供が喜ぶビジュアルではないけれど、これらがご飯を覆っているお弁当って大人にとってはご馳走です。
「私はこっちのお弁当の方が絶対に好き。でも小さい子はキャラ弁の方が嬉しいですよねぇ・・・・」と共感せざるを得ないそのお弁当のおかずを、ママは私にもお土産として持たせてくれました。
ママが経営しているお店に私もよく食べに行っていたのですが、韓国人のお客さんが来ると大量に食べ残していくのを見かけたことがあります。日本人向けに味が変えられているから、韓国人のお客さんにしてみるとあまり美味しくないものもあるとのこと(韓国人だけの団体の場合、サムギョプサルを頼んでいる人が多かったです)。
ここのお店は調理人さんも韓国人だったので、おそらく作りながら「もっと美味しい普通の韓国料理を食べさせたいなぁ」と思ったことでしょう。
だけどターゲットは日本人客です。売れないものを作ってもしようがないから、やはりそこらへんはビジネスに徹しないといけません。