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Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

アメリカ人にとってのスモールトーク。なぜ大切なの?


私が中学一年生の頃、英語の教科書にはこんなダイアローグがありました。

Tom: How are you doing?

Keiko: I'm fine, thank you. And you?

バーカくせーーーーーー!!!と思っていたんだけど、How are you doing?と自分から聞くことって大切だなぁと、ベースで接客業に就いてつくづく感じました。アメリカで暮らしていた頃は常に客の立場だったから、How are you doing?と聞かれることには慣れていて、そしてそれを当然だと思っていたんですよね。
そして接客業に限らず、とにかく日常会話でこのHow are you doing?って自分からさらっと聞くべきだなぁと思いました。

それでは、なぜHow are you doing? と自分から聞くことが大切なのでしょうか?

http://www.flickr.com/photos/84172943@N00/7357503268

photo by Daniel Y. Go

1. Silence is awkward.

とても賢いのだけど鼻につくのが玉に瑕・・・のアメリカ人女性と働いたことがあります。その彼女にこのHow are you doing?と聞くことについてたずねてみたら、こんな答えが返って来ました。

"Silence is awkward for American people. That's why we always try to have a small talk unless it's obvious our customer wants us to leave them alone."
「沈黙はアメリカ人にとって気まずいものよ。だから私達は明らかに客が放っておいてほしそうな場合以外は、スモールトーク(雑談)を始めるようにするのよ」

これを聞いてなるほど~と思いました。ベースでホステス(案内係)として働いていた頃、席にお通しする際にこちらが黙っていると、お客様の方から「今日は寒いねぇ」なんてお天気の話を始められることが結構ありました。
その度に、本来ならば迎え入れる自分達の方から声をかけるべきなのに、またお客様に言わせてしまった・・・と思うことがしばしばあったのです。

ではHow are you doing?から始まるスモールトークで気をつけるべきことはあるのでしょうか?

2. Stay on a safe topic.

safe topic(当たり障りのない話題)の定義は人によって違います。スモールトークが大好きで、それをネタにチップを稼ぎまくっていたメンヘラDさんはsafe topicに留まることができず、よく滑ったりお客様の気分を害したりしていましたが、人が地雷を踏むのを隣で見ているのはなかなか面白いものでした。
例えば少し気落ちしていそうな男性のお客様がやってきた時のこと。

Dさん:Hello. (It's been) A long day? 「こんにちは。長い一日をお過ごしですか(=お疲れですか)?」

お客様:(ちょっと鬱陶しそうに)No. I just came in to work. 「いや、仕事に来たばかりだよ」

 
しゅんとするDさん。残念でした~。ただこれは常連さんなら話が膨らんだでしょうね。
「そうなんだ。実は・・・・」っていう風に、愚痴を聞いてあげることができたかもしれません。だけどこのお客様はこの日が初めてでした。「うるせーな。ほっといてくれよ」と思ったことでしょう。
お客様が自分とのスモールトークを楽しんでくれないとわかった瞬間のDさんの落ち込み方は、見ていて複雑な気持ちになります。ちょっと可哀相なんだけど、「普通、スモールトークでそれ聞くか~?」っていう切り込み方をするのが見ていて面白い(笑)。
それからこれは日本よりもアメリカならではだと思うのですが(なぜなら離婚率が日本より高いから)、どんなにお子さんが可愛らしくても、明らかにそのご夫婦の子供だということがわからない限り「お父様に似た明るい瞳の可愛いお子さんですね」などとは言わない方がよいです。
日本でも離婚率が高くなってきたため、こういう子供がらみのことは地雷になりつつありますが、アメリカは地雷の数が比べものになりません・・・。

親しくなって、地雷がどこに埋まっているのか見えてきたら試してみよう>>safe topicという一線を越えたスモールトーク - Inside the gate

アジア人は「元気?」をスキップしてネガティブな要素から話を始めがち

日本人従業員とフィリピン人従業員に共通する特徴として、互いにその日初めて会っても、How are you doing?や「元気?」をスキップして、ネガティブな要素で会話を始めます。
例えば聞かれてもいないのに「腰が痛くて・・・」「寝ても疲れがとれない」「だるーい」「頭痛い」など。ただしそれらには深い意味はありません。お互いどこかしら不調だけど頑張ろうねーみたいな連帯感を作り出すために、ネガティブなことから話を始めているだけなのです。傷の舐めあいがHow are you doing?の代わり。これじゃ顔を合わせても健康の話しかしない老人達と同じです。

関連記事:フィリピン人のおばちゃん達vsドライなアメリカ人達 - Inside the gate

それからこれは語学留学していた時(注意:私の留学時代・・・大昔の話です)にリスニング&スピーキングの講師にこういわれたことがあります。

「色んな国の生徒を教えていて気がついたことがある。それはアジアの国々からやってきた生徒にHow are you doing?と聞くと、詳細に渡る答えが返って来るんだ。『実はこんなことがあって・・・』って(笑)」

How are you doing?はあくまでも挨拶です。お互い会っても何も言わないことによる不自然な沈黙に置き換えられただけ。人生相談しちゃだめですよ(爆)。

How are you doing? に対する返答のしかたは、多く知っていて損はありません

これから横須賀基地で働こうとする人は、まさか中学英語の教科書のようにI'm fine, thank you. And you?をバカの一つ覚えのように使う気はないと思います。(DさんはI'm jolly.をバカの一つ覚えのように使っていたけど・・・)
自分からHow are you.....と聞くと、多くのお客様があなたに同じことを聞き返してきます。そういう時に短い答えを色々知っておくと便利ですよ。

<例>

  • Pretty good. Can't complain. (こういわれたら" Everyday is pretty much like that, isn't it?"などと返すとよい)
  • I'm good.
  • Pretty good.
  • (寒い季節であれば)I'm freezing!

とまあこんな感じですが、返答のパターンは自分がお客様に質問することにより、返ってきた答えを聞いて「そういう答え方もあるのかぁ」と参考になるので、自分からどんどん聞きましょう。最初はちょっと恥ずかしいけど、How....と聞いたからといって命までとられやしません。Silence is awkward.ですから、自分から静けさを打ち破りましょう。もちろん面接だって入室したら、名乗った後に必ずこのフレーズから始まりますよ。

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