Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

情報が交錯するベースでガセネタを広めるいい加減な人達

狭く、また非常に馬鹿げていてどうしようもないけど、私を惹きつけてやまない閉鎖的な村・米海軍横須賀基地。
そこではドラマとゴシップに欠くことはありません。だけどその中には多くのガセネタや、あるいは話が捻じ曲げられてしまってもはや真実が何なのか誰もわからず、語った人間の数だけ真実があるような状態になっているのも確かです。
それ完全にガセネタだよね?と思いながらも顔は口角だけあげてにっこり(目は笑っていない)しながら聞き流す話のなんと多いこと。
そんなガセネタを流す人や話を捻じ曲げてしまう人達には共通点があります。

 

例1.空母の帰港日程

毎年決まった時期に試験的な航海に数日出て、そしてその後半年ほどの定期展開に出る空母とそれらを支える船の一団。横須賀基地で接客業に就く人達にとって、空母がいつdeployment(定期展開)から帰ってくるのかというのは非常に気になるところだと思います。平和な閑散期が終わり、また忙しい日々が始まるのですから。空母が戻ってくるベースとその周辺の人口が一気に増えますからね。

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NEXやカミサリーなんて、空母が帰ってくる1,2日前になると、空母の船員達が帰ってきて店が混む前に自分達の買い物を済ませてしまおうという客で混みあうくらい。
ところがこの帰港日の情報に関して様々な憶測が出て、ガセネタが拡散されるのは本当に迷惑だなぁと、筆者自身が接客業に就いていた頃のことを思い返しています。
そしてガセネタは現在でも拡散されているようで、例えば昨年でしたら知人から聞いたこんな話があります。
空母のロナルド・レーガンの司令官がCapt. Michael DonnellyからCapt. Patrick Hannifinに交代になる時期が9月で、まだ船が展開に出ていた時でした。横須賀基地で働いている人ならもうオチは想像つくでしょう?

「Change of command(司令官交代)のセレモニーをまさか海上で行うわけないから、deploymentの途中だけど横須賀に一時的に帰ってくるらしいよ!」


だいたい空母は春に出港し、サンクスギビングのあたりから12月初旬にかけて毎年deploymentから帰ってきますが、「今年は9月に一時的に横須賀に立ち寄ってChange of commandが執り行われる」という話をし始めた人間が大勢いるそうです。
で、Change of commandですが、実際は航海中のロナルド・レーガンのエアクラフトの格納庫で行われました。横須賀になんて帰ってきていません。

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(新しい司令官のCapt. Patrick Hannifin。こういうイメージ画像に憧れて横須賀に来てもなかなかこういう人達には遭遇せず、その代わりにフィリピン人の多さ戸惑うというのも横須賀基地あるある。Photo courtesy of USS Ronald Reagan Welcomes New Commanding Officer in At-Sea Ceremony > U.S. Indo-Pacific Command > 2015

こんな憶測にすぎない情報を無責任に垂れ流す人間が働いているのが横須賀基地です。
いい加減な人が垂れ流すいい加減な情報に振り回されず、自分の頭でちゃんと考えましょうね。

例2.横須賀基地の司令官が解任された理由(笑)

自分が聞いた話をちょっと考えれば「それは違うだろう」とわかりそうなものなのに、考えずに広めてしまう人っていますよね。私が心底呆れたガセネタは「横須賀基地のグレニスター(元)司令官が解雇されたのはね、お偉いさん達の奥様会の費用(ランチョンなど)を削ったから、奥様達が怒って引きずりおろしたらしいよ」というガセネタ。ふきだしそうになるのをこらえるのに必死でしたがなんとか持ちこたえました。
海外の米海軍基地で最大と言われている横須賀基地の司令官が、奥様会の費用がらみのことで解雇されるわけないことくらい、ちょっと考えればわかるのに・・・。そもそもそういう経費があるのかどうかもわかりませんが、あったとしたら、横領に目をつぶったというようなことでもない限り、これだけ大きな海外の基地の司令官がたかが奥様会のことで解雇にはならないはずです。

グレニスター司令官が解雇された本当の理由:横須賀基地のCOが解任された理由 - Inside the gate

ガセネタを信じて広める人達

横須賀基地のガセネタは、自分の英語の理解力のなさに対し無自覚である分、「こう言っているに違いないはず」と誤って訳して広めてもその誤りにすら気が付いておらず、あるいはなんとか聞き取れた単語から言葉尻をとらえて、話の核心を掴まないまま広めてしまう日本人、フィリピン人だけが発信源ではありません。尾ひれどころかまったく違う話にすりかえて(頭が悪いからなのかわざと捻じ曲げているのかは不明)広めてしまうアメリカ人達もいます。
最後にもう一度言います。いい加減な人が垂れ流すいい加減な情報に振り回されず、自分の頭でちゃんと考えましょうね。そしてこのブログに書かれていることをどこまで信じるかも、あなたにおまかせします。