シェアしたい英語表現100選(18)
前置詞を変えるだけで、上から目線になってしまうリスク。
横須賀基地におけるフィリピン人ネットワークの強さについては、何度も過去記事でとりあげています。彼らは助け合いもするけど、足の引っ張り合いもすごい。いつ誰に寝返るかわからない彼女達は無類のゴシップ好きで、邪魔物を蹴落とすチャンスを虎視眈々と狙っています。
当然私もゴシップを聞かされましたが、もう誰の話が本当なのかわけがわからないため、聞き流すだけだし、うんざりして「私は自分の仕事だけ黙ってやるわ。そういう面倒なことに関わりたくないの」といいたくなったこともたくさんあります。
そういう時
Let me stay out of it. あるいは I'm trying to stay out of it.=「関わりたくないの」
とやんわりいえば、フィリピン人のおばちゃんは「こいつは自分達サイドに取り込めないのね」と面白くないと思いつつも、上から目線にはきこえません。だけど・・・
I know you guys love gossiping, but I don't. I'm staying all above it.
「あなた達がゴシップ好きなのは知ってるけど、私はそうじゃないの。そういうものとは無関係でいることにするわ」
と前置詞aboveを使ってしまうと、staying above it=馬鹿げたゴシップよりも上に留まるという、やや上から目線のニュアンスになりますから、使い方には注意しましょう。あえて「あの馬鹿馬鹿しい集団」と見下したニュアンスを含みたい場合は、aboveを使った方が伝わりやすいです。
ではaboveに続きまして次はawayについて。
away の一語で「忘年会」の雰囲気がぐっと伝わりやすくなる。
クリスマスよりも大晦日の方がイベントとしては存在感のある日本。
お世話になった人々や大切な人々とともに、お酒や食事を楽しみながら一年に別れを告げ、大晦日に向けて徐々に今年も終わるねぇ・・・としみじみと終焉モードになっていくこの独特な感じは、クリスマスの方を重視する欧米諸国の人には説明しにくいですよね。師走という言葉の響きに含まれるものなんかもね。
だけど日本文化に詳しいアメリカ人男性が忘年会のことをこんな風に表現したのです。
"I like how Japanese people get together to drink the year away."
awayは物や人を押しのけたり遠ざけたり/遠ざかったりする時に登場することの多い前置詞ですが、副詞としてはこんな風に「(直訳)その年を飲んで遠ざける=飲んでその年に別れを告げる」と使うことで、忘年会がどんなものか伝わりやすくなります。簡潔でいいなぁと思ったので、シェアしました。