Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

陰湿な日本人村と見切りをつける前に考えてみよう

これぞInside the gate!というコメントを公開できない歯がゆさ - Inside the gateという記事に、今まさに日本人村で苦しむでっちぼうこう様という若い女性従業員からコメントをいただきました。それを拝見してこれは是非記事で私の考えを書きたいと思いました。でっちぼうこう様からいただいたコメントに関して記事にしたことが以前にもあったことを思い出しました!

◆その時の記事>>【横須賀基地】時給制臨時従業員(HPT)の契約延長について - Inside the gate


でっちぼうこう様の年齢まではわかりませんので、もしかすると社会経験があまりなく、右も左もわからぬ状態でベースに入ってしまったのかなと想像しております。
その場合、私のようにある程度日本社会で社会人経験を積んでからベースに入った人間よりも苦労されているのではないでしょうか。
まっさらな状態でベースで働き始め、ベースの日本人村に入ってしまうと理不尽なことだらけのように思うでしょう。新しい環境というのはただでさえ疲れますが、その中で派閥などの人間関係を静観し、面倒くさい人の付き合い方を自分なりに模索していくわけですから、精神的にやられるのは当然です。特に息が詰まりそうな村の掟+不文律が存在する日本人村では・・・。

村を逃げ出す前に振り返ってみよう

日本人村を逃げ出して楽園を探し求める前に、ちょっとセルフチェックしてみましょう。

Go for it, Nadeshiko Japan!!! : 頑張れ!なでしこジャパン。

以下の三つのうちどれかを自分から言ってしまう人は、組織の中で苦労するタイプの人だと思います。三つすべて自ら言ってしまう人は鬱になってやめていくタイプでしょう。

私って・・・・

  1. 繊細なんです」
  2. 不器用なんです」
  3. 真面目過ぎるんです」

なぜならこういうことを自分から言うことに対してなんの抵抗も感じない人は、どこか独りよがりなところがある可能性があるからです(でっちぼうこう様、すみません)。そういう人は、もしかすると職場がわたくし劇場になってしまっているのではないでしょうか?

  • こんなカスタマーサービスをしたい
  • ぴりっとスパイスの効いたアメリカンジョークが聞ける環境で働きたい
  • いい意味でアメリカナイズされている日本人に囲まれて楽しく働きたい

このように自分の求めた楽園像が、実はそこにはないとわかってしまうと、現実を直視してその中でうまくやっていけるよう頑張ってみるかという発想に転換できず、悩んでしまうタイプ。
事務職や技術職なら確かに地獄ではありますが、接客業であればアメリカ人客が多いはずですから、どんなに村民とうまくいかなくても、接客することでいい気分転換にもなりますよね。ただ村民とうまくやれないと、よい接客ができないというのも事実です。

「こんなに頑張っているのに・・・」頑張り方を間違えていませんか?

IMG_9740A Tiziano Vecellio. (Le Titien. Titian)  1488-1576.  Venise.  Un garçon avec un oiseau.  A boy with a Bird. Vers 1520. Londres. National Gallery.

接客業を例にとりましょう。これは何もベースの中の日本人村に限った話ではありませんが、お客様によりよいサービスを提供するには、チームとしてうまく機能していないといけません。そのチームの歯車の一つとして自分はどういう風に動くべきなのかを考えた場合、残念ながらあなたがお客様と考えている人達の下に、あなたが「満足させなければいけない人々」がもう一階層存在します。それが同僚であり、上司です。彼らと普段からうまくやっていないと、その向こう側にいる人達に満足してもらえるようなサービスはできません。個人プレーには限界があるのです。

ですから村民とうまくやることも、日本人村の従業員の仕事の一つです。

今振り返ってみると、もっと迎合していれば長続きしたかも。もう日本人村は嫌だけど、もしまたそういう環境に入ったら今後はもっと相手によって自分をうまく変えるようにしてみます。(ちょっとずるいけど、生き残るためです)

ずるくないですよ!こういうスキルは社会人として生きていくためには、残念ながらある程度必要です。それが現実です。「まっすぐにひたむきに働いていれば神様が見てくれていて、いつか報われる」とかそういうことは今すぐ忘れてください。あなたを守ってくれるのは神様ではなく、権力を持っている上層部とあなた自身です。敵を作らないということは重要です。

日本人村という猛獣揃いの動物園

しかもそれは日本人村だと一層難しいのです。ベースの中でしか働いたことがない(=おそらく日本社会ではやっていけない)古参従業員達を並べてみると珍獣・猛獣図鑑みたいになるはずです。その珍獣・猛獣使いにならなくてはならないのです。それを考えると、最初の一年は自分のパフォーマンスをあげることを気にかけつつ、獣達の攻略方法もおさえていくことになります。だから二年目は絶対に少しだけ楽になるはずです。
「一年もかかるの?!」と思われるかもしれませんが、古参従業員の懐にすぐに入れるだなんて思わない方がよいです。

  • 客のランクによって露骨に態度を変える人
  • 自分の名字が横文字ということを異様に誇りに感じている女性
  • 「どうせIHAだから切られないだろ」と超省エネモードで勤務する人(スライムみたいにべったりカウンターに突っ伏して極力動かない)
  • 全ての文章にfやsで始まるfour-letter wordsを盛り込む女性

こんな珍獣、猛獣だらけで見どころ満載の動物園を見て回ってお世話の方法を学び、実際にうまくやっていくには1年かかります。
「なんか媚びるのってやだしー、そんなのやってるの日本人だけでしょ?」と言って日本人村を去り、その後去ったのはいいけれどもなかなか定職に就けない女性を見ていると、私はある程度媚びなきゃいけない時ってあると思うんですよ。

なぜ日本人従業員はうつ病になったり自殺するほど人間関係に苦しむのか - Inside the gateという記事をツイートした人が、「日本人は優しいから鬱になるんだよ」と書いていたのですが、私は「割り切れない人が多いからだろう」と思ってあの記事を書きました。

f:id:usmilitarybase:20160820021602j:plain

好かれなくてもいい。仕事をしていくのに十分な程度、うまくやれればいい。

辞める前に読む! 今日から使える職場の深層心理


だけど事務職や技術職の日本人村は、やめておいた方がいいと思います。ああいう場所の問題って根が深そうですもの。諸悪の根源になっているような日本人の古参従業員達が定年退職してごっそりいなくなっても、陰湿な文化や体質はなかなか変わらないと思います。
珍獣、猛獣についてはまた他の記事で書きたいと思います。

関連記事