Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

子供英会話スクールで英会話力が伸びる子の特徴


大手子供英会話スクールで講師をしていた時に出会った、英会話力が伸びる子供達には共通点がありました。

いつも授業が盛り上がる中学生のクラスがありました。講師は外国人講師です。聞こえてくるのはほとんど生徒が英語を話す声(これは理想的ですね。生徒:講師=8:2くらいがベスト)でした。

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photo by Max Choong

自分で学んだ英語を使える環境がほしい

「あのクラスの準備って楽だから助かるのよ。テキストの新出単語をどんな風に紹介して興味を持ってもらおうかな、とか考えなくていいの。だって彼女達は好奇心が強いから、新出単語やイディオムなんて全部自分で事前に調べてきているのよ。レッスンが始まると同時にその日の項目に関するフリートークに入れるようなもの。生徒達の会話の時間が増えるわ」

そうなのです。
この生徒達に必要なのは「英会話ができる場所」でした。テキストの内容など教えてもらわなくても理解しているため、一からスクールで手取り足取り教えてもらおうと思っていないのです。

英会話スクールで週に一回、たった一時間。

生徒達はこの一時間をフル活用したかったのです。だからその環境で過ごす時間を楽しむための準備は惜しみませんでした。それを努力だとすら感じていなかったでしょう。そして彼女達が知りたかったのは英語独特の微妙なニュアンスだったり、テキストの内容の応用でした。

豊かな情操教育を受けたであろう賢い子供達

このクラスの生徒全員がこういうタイプの生徒で、とても雰囲気がよかったのも幸いでした。
この中に一人でも「ライバルに勝つ!」みたいな、誰かと比べて自分の英語力が上か下かでしか考えられない負けず嫌いの生徒がいたら、ここまでクラスの雰囲気はよくなかったはずです。楽しいクラスだからこそ、生徒達が皆伸びていきました。
だからこそ、この生徒達はおそらく豊かな情操教育を受けてきた子達なのだろうと思いました。
この生徒達を見ていて、人格形成にとって重要な時期を垣間見たような気分にもなりました。人間ってもうこのあたりで決まるんじゃないかなぁ、と。
中学生あたりで「私が、私が」とがつがつしている子は、多分社会に出てもがつがつするんですよ。自分の力を証明するために、人と比べないと気がすまない、自分がより優れていると認めさせたい人達って、きっと中学生くらいからずっとそういう風に生きているのです。

また中学三年生に進級する時に、受験勉強を最優先するため退会する生徒が多い中、彼女達は全員契約を更新しました。

なぜなら英会話のレッスンがちっとも負担にならないからです。受験勉強はきちんとできている。その上で英会話スクールに気分転換しに来るような子達で、彼女達の親は、その気分転換に出すお金を惜しまなかったということです。そして彼女達は皆、地元でも有数の進学校に合格しました。

「英語が話せるようになること」をゴールにしていない。なぜ英語が話せるようになりたいの?

昔TVを見ていたら「自分は英語が話せなかったから、我が子にはぺらぺらになってほしい」と、生活を切り詰めて、お子さんをインターナショナルスクールに入れたご夫婦が取り上げられていました。もちろん家庭でも英語漬けの日々です。確かにお子さんはネイティブスピーカーのように話していました。
私はこれを見ていて、ご両親はさぞ幸せで誇らしいだろうと思いましたが、この番組を見ている他の親御さん達が触発されなければいいなと危惧しました。英語が話せるだけでは国際交流はできません。

「○○ちゃん英語ぺらぺらー。すごーい」

英語をとったら何も残らない日本人が増えませんように。英語は単なるツールですよ。

【関連書籍】


お子さんの語学習得とはあまり関係がないのですが、「シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ (文春文庫)」を読んで以来大ファンで、シモネタを書いても知性すら感じる著者・イタリア語通訳の田丸公美子氏の子育てエッセイは抱腹絶倒。

著者が息子さんにしっかり勉強もさせて開成→東大と合格させながら、人間的にも魅力的な男性に育て上げていった様子がよくわかります。
このエッセイを読んだ後、息子さんの名前をフェイスブックで検索してしまった私はストーカーでしょうか。

シモネッタのドラゴン姥桜 (文春文庫)


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