Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

人気ブロガーが一発屋で終わらないということがどれほど難しいことなのか


プロブロガー・イケダハヤト氏がかつて「はあちゅうさんは食べ物の画像を載せるだけで膨大なアクセス数を集められる」と記事に書かれたことがあります。
ほんと、はあちゅうさんはそうなんですよ。ちょっとこれ見てください。

【ご飯】パクチー好き女子たち : はあちゅう主義。

ほとんどパクチーを使ったメニューの画像だけ(笑)。なんか頭ひねって記事を書くのがバカらしくなってきました。だけどこのパクチーの記事もものすごいアクセスがあったと思うんですよ。
私みたいに「こういう記事を書いたらアクセス集まるかな」っていう風に毎日が宝探し的な更新ではなく(それはそれで楽しい。強がりではなく!)、はあちゅうさんのブログは、はあちゅうさんの日常を見たくてアクセスする人ばかりなのだから、何をアップしたってアクセスは集められるのです。
「いいねーはあちゅうさんは楽でー」と思われた方もいらっしゃるでしょう。こういう風に楽をできるようになるまでに、はあちゅうさんがどれだけの犠牲を払ってきたか、というのがわかるのが新刊のこれです。

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私が著者に興味を持ったのは、著者が世にでるきっかけとなったブログブームの火付け役ともいえる「さきっちょ&はあちゅう 恋の悪あが記 Super edition (ブログブックス)」ではありません。これには興味を引かれませんでした。
むしろそのブログブームにのって担ぎ出された女子大生が、一発屋で終わらなかった理由が知りたくてこの本を手に取りました。

一般人がはあちゅう氏と同じことをしてもPVは増えない

「20代の女性にもっと読んでもらうには?」などとマーケティングしていたら、更新に疲れてブログをやめていたかもしれません。でも、ただ、「こんな面白い場所に行ったよ」「こんな美味しいもの食べちゃった」「こんなもの買ったんだけど、どう思う?」「今度こんなことするんだけど!」などの、半径5メートルの私の日常を、肩肘張らずに更新し続けていたら、次第にアクセス数が伸びました。

(第6章 進化と深化のバランスのとり方 P163より引用)

これ、一般人が同じことをやってもアクセス数は伸びません。そういうことならフェイスブックでやってれば?友達がいいね!してくれるからって言われておしまいですよ。これが一昔前ならチラシの裏って言われますけどね。順序が逆なのです。
日々のことを書いていれば、ブログに人気が出て広告収入も入るかも!ではなく、既に有名な人が日々のことを書くからアクセス数が集まるのです。。「はあちゅう」で検索をかけてきてくれる人がいるから。
ただしそうやって検索してくる人はファンだけとは限りません・・・。

有名税は高い

ブログで有名になった途端、収入や更なるチャンスと同時にうようよと寄ってくるのが、悪い虫。だけどこの悪い虫の持つばい菌を養分にして、著者は「10年間ディスられ続けた女」というなんともニッチなポジションにおさまって、さらに有名になったのです。ニッチに決まってますよね。誰もやりたがらないポジションなのですから・・・。
著者と同じようにただで世界一周したいから、スポンサー紹介してくれませんか?と会った事もない著者に頼んできた上、自分の都合で待ち合わせを決めて遅刻までして、著者が注文したものの3倍もする値段の飲み物にデザートまで頼んだ厚かましい若者。
そしてネット上で昼夜批判の対象を探しているネガティブな病んだ人達。たいして親しくもないのに「はあちゅう?ああ、俺友達だから俺が呼べば来てくれるよ」と友達面する人・・・。読んでいるだけで疲れました。これを実生活で経験するということは、相当精神的にやられるでしょう。

ウェブ上で文章を書くということは、誹謗中傷にあうこともありますし、薄気味悪い人に張りつかれるリスクもあります。ブログを書いていてそういう経験をされた方は、この記事を読んでいる方の中にもたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。私はあります。

そして本書を読みながら、多分著者が遭遇したのは、私が遭遇したこういう人の数の1000倍、面倒くささ/腹立たしさ/薄気味悪さの濃度も1000倍だったんだろうな、と思いました。1000倍x1000倍・・・・この恐ろしい数字は、当初著者にとって強い向かい風だったはずです。それを上昇気流として利用できるようになるまでの模索が第一章「負をエネルギーに変える」で詳しく書かれています。ブログを書いていて「自分は打たれ弱いな」という人は読んでみるとよいですよ。


半径5メートルの野望


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