ちょくちょく使うコンビニの店員にちょっと場違いな人が一人います。
その店員さんはありがとうございました、という時にお腹に手をそえるお辞儀をするのです。スーパーでもレジの店員さんがやるのを見かけますよね。あれです。
そのコンビニでそういうことをするのはその店員さんだけ。他の店員さんは普通にありがとうございましたと言うだけ。私はコンビニはその程度でいいと思っています。丁寧すぎるとおかしい。でもその店員さんだけは例のお辞儀をするのです。その姿を見ていると背中に寒いものを感じるんですよ。
寒さの原因は「丁寧な接客のできる私」というアピールでしょう。ファミレスで一流レストランと同じような接客や食事を求める気取った客を見ている時に感じるのと同じような気恥ずかしさを覚えます。
だけど「日本の接客レベルシリーズ」その1でも書いたように、私みたいな人間はやはりマイノリティなのだと思います。世の中の多くの人々は、さりげない気配りよりも「さあ、どうぞ!」というようなわかりやすい接客の方が好きです。
といいますのも、大昔に見たTV番組でこんなサービスが紹介されていました。
「あなたのためにこんなことしたのよ。すごいでしょう」という押し付けがましさ
ある高級旅館(名前は忘れたけど、これが天下の加賀屋だったら本当にショック)では、お客様が帰られる際にまずお部屋で女将が挨拶をし、お客様をエレベーターまで見送ります。そして女将はお客様をエレベーターに乗せた後、大急ぎで階段を下りて(和服を着ている状態で、ですよ!)お客様がエレベーターで降りてくるところを出迎えます。 するとお客は「え?女将さん、さっきは階上にいたのに・・・・。っていうことは私達を出迎えるために、エレベーターよりも早く階段をかけおりてきてくれたってこと?いやん!感激ーーーーー!!!!」ってことらしい。
そして素晴らしい!と沸くスタジオ。それを見ていた私はその接客を「すごいでショー」と名づけました。ショーみたいに見せつける接客という意味です。あなたのためにこんなに早く走ったの!みたいなのが苦手です。
だけどお客にそういうものが喜ばれるのであれば、やるべきです。自分がやりたいことを押し付けるのではなく、お客が喜ぶことをすることは大切です。