Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

英語はツールであって、スキルではない



英語はツールであって、スキルではない。


これがわかると英語とのつきあい方がわかって、無駄な労力、時間、お金をかけずにすみますし、磨くべきものが見えてきます。スキルがあってこそのツールなのです。


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photo by Office of Naval Research

ベースの施設では、お客のほとんどがアメリカ人ですが、労働環境となると若干異なって、従業員の米・日・比の比率は様々です。MWR系列みたいに圧倒的に比(フィリピン人)が多いところもあります。
私がベースで働いていたのは、アメリカ人従業員が比較的多い環境でした。これが「いつまでもこの客層の悪いところで接客業をしているわけにもいかないな」と思いつつ、私の異動を遅らせた理由でした。

出勤すれば夫以外の人間と英語が話せる

私の英語学習のモチベーションは「夫を笑わせたい」ということです。となるとやはり夫以外の人が話す表現に触れて語彙や表現を増やしていかないと、会話が色あせていくのです。
洋書・英字新聞を読む、洋画を見る、ウェブニュースは英語サイトを読む、といったインプットで補える部分もありますが、やはり実際に会話することでしか鍛えられない反射神経はあります(これに関しては後日投稿予定→ 投稿しました「実際に会話をすることでしか鍛えられないもの - Inside the gate」)。
そして独学で覚えた単語や表現よりも、人と感情をすれ違わせたり、衝突したり、心を通わせたりするプロセスを通じ、心に刺さった・心をえぐった・心を温めてくれた英語を、人は忘れないし、そういう英語は必ず自分のものにできます。オーガニックな英語といったらよいでしょうか。
私は出勤することでこの反射神経を鍛えていた部分があるし、心のどこかで「お金をもらいながら英語表現が蓄積できてラッキー」と思っていましたね。

英語の語彙が積み重なっていく間にも、私は歳をとり続けていく。英語は単なるツール。スキルは磨かなくて大丈夫?

だけど私がそうやっている間にも、その周りにいるアメリカ人達は、アメリカに帰った後のキャリアのことを考えて、専門分野で着実に準備を始めています。
そういう姿を見ていると、彼らが羽ばたいて行った後も、自分はいつまでたってもここで「アメリカ人と働いていれば生きた英語に毎日触れられる」と満足している典型的な英語コンプレックスを抱えた日本人でい続けるわけです。
そしてそうしている間にも年をとり、自分が持っているスキルが錆付いていくのだと驚愕するのです。
その時になってようやく異動に本腰を入れ始めました。

英語が話せると確かにいいことは多いですよ。それは断言できます。会話できる人数が圧倒的に増えますからね。だけどやはりツールでしかないのです。

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