flirtとは、英和辞典だと「いちゃいちゃする」と書かれていることが多いのですが、実際にはそうではなく、つまらない日常を少しでも楽しくするため、彩を与えるために、節度を持って男女が言葉を使って戯れることです。
どんなことを言われたら喜んでもらえるか、あるいはどんな意地悪をしたら喜んでもらえるか・・・そんなことがよくわかる人が得意とする、華麗だけどどこか陳腐な暇つぶし。擬似恋愛みたいなものかな。
私がベースで働いていた頃、「ものすごくハンサムな男性客が最近ちょくちょく来店するんだけど・・・」という話を同僚のアメリカ人女性達にすると、決まって"Why didn't you flirt?"「flirtすればよかったじゃない」という答えが返ってきたものでした。私も彼女達も全員既婚者です。まあflirtってそんなものなんですよ。
例えばこんな感じ。
男性:Are you seeing anyone? 「つきあっている人はいるの?」
女性:No, I'm single. 「いいえ、フリーよ」
男性:How is that possible? 「どうしてそんなことがありえるの?(君みたいな魅力的な女性がフリーだなんて)」
かなりcheesyなパターンをご紹介しましたが、How is that possible?はよく聞きますよね。
flirtしたからといってつきあわなくちゃいけないわけでもありませんが、あまりにも誰彼構わずflirtしているとplayerのラベルを貼られてしまいますのでご注意を・・・。
さて、ここからが今日の記事の本題です。
(10)要注意人物だからゲートを通すな - Inside the gate という記事で「ゲートを通る際にセキュリティの人と交わす会話でもかなり色んな表現が聞けて楽しい」と書きました。
先日上記の記事に登場したセキュリティの男性が向かって右側に立っていて、他にも2人のセキュリティが一緒にいて談笑していました。そのうちの一人は私も知っている人でした。
三人か・・・なんか絡まれそうで面倒くさいなと思った私は、左側の日本人憲兵の方を通ることにしました。するとまた来ましたよ。
"Maria, why don't you come to my side?!"
「マリア、こっち側を通ればいいのに!」
同じ事を言われた前回は、言われるがままに米兵の方を通ってIDチェックを受けましたが、今回はそのまま日本人憲兵の方を通りました。
"Are you avoiding me?!"
「僕を避けてるの?」
私の背中に向かってセキュリティがふざけて言いました。これにはさすがに私も笑ってしまい、振り返ってこういいました。
"Well, I saw you with a beautiful lady the other day and it broke my little heart....so it's kind of hard for me to look at you right now. Is she your main squeeze?"
「先日あなたが綺麗な女の人と一緒にいるのを見て、私の小さな心は傷ついたわ・・・だから今はあなたを見るのが辛いのよ。彼女はあなたの本命?」
例のセキュリティは大爆笑し、彼の同僚二人はひゅーと口笛を吹いて冷やかしています。
flirtってこんな感じでいいんですよね。ちょっと笑えて、眠気覚ましにちょうどいいみたいな。以上、ライトなflirtの例として書きました。
もうちょっとヘビーなflirtで「彼女のことが頭から離れない・・・」と思わせたいあなたには、物足りなかったでしょうね。
flirtingの具体的な会話例については「横須賀基地のバーテンダーやウェイトスタッフが年間に稼ぐチップの額 - Inside the gate」という記事の"flirtってどういう意味?"という部分や「チップをもらう立場になってみて気づいたこと(3) - Inside the gate」という記事の会話文も参考までにどうぞご覧ください。
レビュー記事「【初心者向け】英語のテスト勉強をしていても教えてくれない恋愛英語がわかる一冊 - Inside the gate」