Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

新型コロナ対策と横須賀基地(とその周辺)

皆さん元気にsocial distancingを実践していますかー?久しぶりの更新です。
Shelter in place(できる限り自宅に避難していること)の状態からあらゆることが緩和され始めた横須賀基地ですが、米海軍将兵や従業員達の多くがshelter in placeを実施していた間、ベースはどうなっていたのでしょうか。

 

1.入門時に簡単な健康チェック

HPCONがBからCへ引き上げられた頃を思い出しながら書きます。

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筆者の夫は、最初は週2日ほど出勤して残りはテレワーク。そして週3日に・・・というペースで現在は週5日出勤する形に戻っています。
従業員の多くがテレワークしていた頃、出勤する度にこ上の画像のスタンプカードのようなものをセキュリティに出し、簡単な健康チェックに関する質問を受けて、彼らに当日の日付なりサインなり記入してもらったら、ゲートを通過できるようになっていました。

2.繁華街からアメリカ人が消えた

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ベースに暮らす将兵及び民間人達は、原則的にベースの外に出てはいけないことになっていたため、横須賀中央の繁華街からアメリカ人が消えました。当時は日本人も外出を控えていたためただでさえ閑散としていましたが、オフベースで暮らすアメリカ人達が通勤する姿を見かけるくらいでしたし、彼らも必要最低限の買い物だけして自宅に直行する毎日でした。ベースに暮らすアメリカ人にしてみたら、ベースの外へ出られないのはさぞ窮屈だっただろうと思いましたが、若い兵士達に話を聞いてみたところ「まるで拘留されているような気分」と言っていました。
ですから今はのびのびとコンビニのホットスナックを食べながら歩いているアメリカ人や、コンビニで酎ハイを大量に買い込んでいる彼らを見ると、まるで春の訪れを待ちわびていた雪国に暮らす人々のように思えてしかたがありません。

3.グロサリーショッピング

筆者はもともとあまりカミサリーには行かないのですが(だってあそこは文化圏としてはフィリピンなんですもの。彼らはカスタマーサービスというものを知らないのでしょうか)、shelter in place中はさらに足が遠のきました。といいますのも、social distancingを遵守するため、一度に入店できる人数が限られており、入店を待つために整列する場合ももちろん等間隔を保って待つのです。
やっと入れた!と思うと、次はできる限り早く買い物を済ませて店を出る!自分と同じように並んでいる人がいると思うと、やはりゆっくり見ることはできませんでした。
そこで改装を経て再開したショッピングモールCoaskaに行こう!と思ったわけですが、筆者は夫の扶養家族でSOFA sponsoredのため、横須賀基地がoff-limits(立ち入り禁止区域)と決めたショッピングモールに該当してしまうCoaskaには行けませんでした。
この記事を書いている8月2日現在はCoaskaにも入店できるようになりましたが、だいぶ雰囲気が変わって驚いています。ブラウンを基調にしただけで、前よりもずっと良い。前は「これぞ田舎のフードコート!」という感じがしたのですが、その感じが薄まったかな。でも雰囲気がよくなった反面、何も買わずに陣取っている高校生の集団がいたりして、あれはよくないなぁと思います。

4.規則を守らなかった人はどうなったのか

立ち入り禁止とされる範囲は徐々に狭くなってきており、筆者も夫とともに外食できるようになりました。なんと居酒屋にも入れる!(だけどチューハイスタンドはいまだに禁止)ところが現在よりも行動が厳しく制限されていた頃、やはりその規則を守れない人がいたわけです。
オフベースのサロンでカットとカラーリングをしてもらった髪の毛やネイルを誰かに見せたくて我慢ができなくなった女性(アメリカ人かフィリピン人かは不明)が、それをSNSでシェアしてしまい、軍に通報されて夫婦共々アメリカに帰国させられたそうです(ただしこれは佐世保基地での話)。
横須賀基地のケースは、オフベースのお店でタトゥーを入れてもらったり、居酒屋で盛り上がっているところを撮影してSNSでシェアして、これも通報されてアウト。彼らもアメリカに帰国させられました。規則を守っていない人は他にも大勢いるのでしょうけれど、彼らはきっとこっそりと破っているはず・・・。

5.Honchはどうなっているの?

4,5月は多くのバーが休業していたようですが、8月1日現在ではあのSoul Embassyなども営業をしています。ところが若い米兵達で賑わうことで有名なGREENHILLは、いまだに休業中・・・。

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すし詰めで飲んで踊ってこそGREENHILL!という感じもするので、このお店でsocial distancingを実施するとお店の雰囲気ががらっと変わる分、今後の運営方針にも影響してくるでしょう。
もう大昔の話ですが、このお店の前を通りかかった時、窪塚洋介さんがまったりと飲んでいたのが印象的でした。あの時の彼ほどchillという形容が似合う人はいない。
GREENHILLで、皆が笑顔で祝杯をあげられますように!


以下は横須賀基地とは関係ない、筆者の個人的なことです。

6.Shelter in place中に感じたこと

「美味しいものが座っているだけで出てきて御皿洗いもしなくていい」ということがどんなに幸せなのか、思い知りました。

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久しぶりに大好きな喫茶店に行き、そこでいただいたコーヒーとシナモントースト。
お店の扉は開けられたままで換気もちゃんとできています。ああ、幸せ!
外食することも制限されていた頃、自分達で作ることにも飽きてくると、「明日は絶対にキッチンには立たない。三食すべて買う!」という風にしてガス抜きをしていましたが、そうやって気分転換することで途中で腹をくくりました。
これからはもっと自分達自身をもてなす方法を学ばなければならない、と。そこで巡り合った一生ものの2冊の本。

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左側はキャンセル待ち1000人以上!日本で一番予約の取れない料理サロン「boa mesa(ボアメーザ)」を主宰されている若林三弥子さんの「ようこそ、幸せのテーブルへ 北鎌倉ボアメーザの美味しいおもてなし」。生活レベルが自分と全然違う有閑マダムのおもてなし本を読んでどうするの?と思ったでしょう?
確かに海外で接待の経験を積み重ねた女性による、洗練されているのにどこか温かさが感じられるテーブルセッティングと同じようなことを我が家でできるとは思えませんが、日本の四季の美しさを享受しながら、大切な人と過ごす素晴らしい時間を演出する方法を学習するよい機会になりました。
右側は島津修さんの「いちばんくわしい魚のおろし方と料理」。

「食べたかったら自分で作ってみろ」と思ったのがきっかけで買った一冊。一生使える決定版!とありますが、本当に使える!かわはぎの肝じょうゆの作り方もちゃんと載っていました。
小学校の家庭科の授業で魚をおろしてそれがトラウマになり、それ以来魚は切り身しか買ったことがありませんでしたが、今回のShelter in placeがきっかけで再び魚と向き合うことになりました。

横須賀市も確認されているだけで一日一人のペースで感染者が出ています。今後もしばらく三密を避けて、日々の暮らしを楽しみましょう!

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