Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

万国共通 男がいないと駄目な女


まず結論から書きますと、私が国籍を問わず「男がいないと駄目な女」に共通するなぁと思った点が以下です。

  1. 見た目には恵まれている(その分雑魚やら変な虫やら狼やら、色んな輩が寄ってくる)
  2. どんなにひどいことをされて「別れてやる!」とキレても、してもらって嬉しかったことや楽しい思い出をドラッグ代わりのように使ってすぐに「つきあい始めてラブラブだった頃」にトリップし、許してしまう
  3. テキストや電話が来なくなると精神的に不安定になる。そのためくだらない諍いをけしかけがち。
  4. 傷を癒すために必要なのは、自分を理解してくれる女友達よりも男。そしてまた同じように傷つけられる。
  5. 生い立ちが少し複雑

 

Lonely



エマという女性は、経済的に夫に依存しがちなネイビーワイフと違って、一見しっかりした女性のようでした。ええ、経済的には自立していましたし、美人でした(1.見た目には恵まれている。その分雑魚やら変な虫やら狼やら、色んな輩が寄ってくる)。だけど実は彼女、男がいないと駄目なタイプでした。
幼い頃から経済的に両親に依存できない環境(5.生い立ちが少し複雑)で育ったせいか、自分のお金は自分で稼ぐことを当然のように思ってきたエマですが、二種類の精神安定剤を必要としていました。それは異性からの関心と、その供給源に同行してくれる都合のよいお供=私です。

エマは異性からの関心を得るにはどこに出かければよいのかよくわかっていたので、The Honch(どぶ板)の中でも行くバーはいつも決まっていました。客層のほとんどが口八丁手八丁のだめんずというバーばかりです。
結婚生活がうまくいっていなかったエマがこんなテキストを送ってきた夜がありました。
「ねえ、あなた今夜一杯だけつきあえない?すごく深刻な問題を抱えていて・・・・。深刻じゃなきゃあなたがオフの日にこんなこと頼まないわ」
なんだか放っておけない雰囲気だったので、私は一杯だけつきあうことにしました。そしてメインゲート前で待ち合わせすると、とりあえずどぶ板に繰り出すことになったのです。
深刻な問題を抱えている、と言っていたので静かなバーがいいかなぁと思ったら、なんと彼女が選んだのは、自分が常連になっている、常に混雑している煙たいバーでした。お互いに話すためには叫ばないと互いの声が聞こえないようなその環境で、深刻な問題を話す気なのでしょうか?
実は彼女の問題はそれほど深刻ではなかったようです。もう愛のない家に旦那といても孤独で、それに耐えられないから出かけたかっただけなのです。そして出かけるなら甘い言葉を囁いてくれる(ただし不特定多数に同じ言葉を囁く)だめんず君達がいるバーで、心の穴をふさぐための応急処置をしてほしかったのでしょう(4.傷を癒すために必要なのは、自分を理解してくれる女友達よりも男。そしてまた同じように傷つけられる。)。
だけど自分一人でそういう場所に出かけると物欲しそうに見られるため、そういう場所で癒される自分を見てみぬふりしてくれる都合のいい女友達(=私)が必要なのです。深刻な問題を抱えているといえば私がのこのこ出てくることをわかっていたのでしょう。だけど静かに更けていく夜、信頼のできる女友達とゆっくり飲みながら心の内を語る・・・という方法では、エマは癒されないのです。

 

Text Messages

エマを見ていて時々こう思ったものです。
「なぜわざわざボーイフレンドと言い争いになるように仕向けたいんだろう?」

そしてその答えは簡単でした。言い争いをしている限りテキストメッセージのやりとりが続くからです。メッセージが来なくなることが耐えられないのです。ずっと気にかけていてほしいタイプなんですよ(3.テキストや電話が来なくなると精神的に不安定になる。そのためくだらない諍いをけしかけがち)。
そして相手の反発する様子などを見ながら、愛情や関心を確認するタイプ。これでは男性が疲れてしまいますが、エマは常に言い争ったり、あるいは自分が怒って彼からのテキストを無視し続けると、ボーイフレンドがご機嫌取りのためにメッセージを送り続けてくれることで満足していたのです。
エマはボーイフレンド(愛人)が寝ている隙に、彼の携帯電話を見てしまいました。インスタグラム、ツイッター、フェイスブックというSNS各種からテキストメッセージまで全てです。
そして改めて「自分の他にも女が数人いる」ということを知ってしまうのです。改めて、と書いたとおり、エマにとってその時が初めてではありませんでした。エマは当然キレますが、ボーイフレンドにうまい具合に言いくるめられてしまうのです(2.どんなにひどいことをされて「別れてやる!」とキレても、してもらって嬉しかったことや楽しい思い出をドラッグ代わりのように使ってすぐに「つきあい始めてラブラブだった頃」にトリップし、許してしまう)。
こういうだめんず君は「色々いたけど(と現在進行形の女達を無理やり過去形にする)、君に出会ってからは君だけだよ」と信じさせる術を知っているんですよね。

2人の問題ですから余計なことは言わないと決めていた私ですが、ある時私はひとことだけはっきりと言いました。
「例えば私が目を閉じてあなたの未来を想像してみると、あの男はそこにいないわ。2人が一緒にいる姿が想像できない」
この男は絶対にエマを幸せにできないという確信の根拠は、エマには言えませんでした。それは私が言うべきことではないし、言ったところできっとエマは自分のよいようにしか解釈しないのです。結局自分が納得のいくまでやってみて、それで傷つくならもうしようがないんですよ。

見えるものだけが問題・障害とは限らない 「かまってちゃん」という病の根深さ - Inside the gateに続く


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