外国人が撮影していたもので「これは撮影したくなるのも理解できる」と思ったものがあります。
それは朝のラッシュアワーの横浜駅で(上の画像は関係ありません)、相鉄線からJR、市営地下鉄、京急線、東横線、みなとみらい線に乗り換えるための通路からつながっているエスカレーターの下から見た黒い、暗い人の波。
最近そこのエスカレーターを見ていないので何列あるのかはうろ覚えなのですが、確か上り二列、下り三列だったと思います。
朝、 くだり三列(一列に二人並べるので六人横並び)のエスカレーターの上は、誰一人立ち止まっている人がいないのです。皆、エスカレーターの上を歩いているの です。ダークスーツを着たサラリーマン達の波の中に女性もまじって、ざっざっざっ、と規則正しい足音を響かせながらエスカレーターを下りてくる様は圧巻で す。
もちろんみんな朝ですからまだエンジンがかかっていなくて、表情も暗い。 私自身がたまたまこの波に飲み 込まれたある日、エスカレーターの下でカメラを構える外国人男性を見かけたのです。そしてああ、なんかこれを撮りたくなる気持ちわかる、って思ったんです よ。ラッシュアワーでただでさえ混んでるのにそこで何やってんだよてめえ、とは思えなかったのです。
彼が撮りたかった暗さは、エスカレーターに乗って押し寄せてくる人の波の暗さ。そしてその暗さは男性のスーツの色だけによって作られているのではなく、暗い表情をした集団から発せられる独特のものだったのではないでしょうか。
彼には朝のラッシュアワーの新宿駅西口から都庁の方へ吐き出されるどす黒い川もおすすめしたいと思いました。
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