ランクがすべてではない、と言いたいところですが、やはりベースではランクの高いやつは強く出てきますよ。米海軍のランクはこんな感じです。
◆United States Navy officer rank insignia - Wikipedia, the free encyclopedia
ゲートを通る際も、IDチェックの憲兵達は、オフィサー(将校=大卒以上)とその家族には敬礼が義務付けられていますが(IDにはランクが書かれています)、enlistedと呼ばれる下士官兵達には挨拶をするだけで敬礼はしませんし、もうそこらへんから全く扱いが違います。
オフィサーは下士官兵達に比べると、確かにお行儀はよいですし、酒に酔って店から放り出されるほどの喧嘩をしたりといったトラブルは起こしません。
関連記事:Honchで出会いを求めない方がよい理由 - Inside the gate
実は私も仕事をしていて彼らに救われたことは何度かあるので、オフィサーの中には立派な方がたくさんいるという前提でこの記事を書いています。ただやはり猿山のボス猿みたいなやつっているんですよ。
photo by U.S. Naval War College
友人の夫がセキュリティとして働いているのですが、ある日ゲートに立っていたら、オフィサーの車が入ってきました。
オフィサーは娘さんを乗せていたのですが、どう見てもチャイルドシートに座っていないとおかしいくらい小さいのに、普通に座席に座らせられてシートベルトだけつけている状態でした。
そこで彼は「お子様をチャイルドシートに座らせてください」と伝えました。セキュリティの人達はゲートを通る人間のランクがなんであれ、職務は果たさなければなりませんし、その義務・権利があります。
するとオフィサーはこういいました。
"Do you know who I am?"
「僕が誰だか知っているの?」
出ましたよ・・・・。ass*oleが使いがちなフレーズ・・・・。本当にこんな恥ずかしいことを言っちゃう人がいるんだって感じですよね。でも存在するんですよ。ボス猿が。おそらく山の中でも中途半端に高いところに縄張りを持っている奴でしょうね。
"With all due respect, I still have to ask you to have her in the child seat, or I have to give you a ticket and you will be talking to CO."
「失礼ですが、お子様をチャイルドシートに座らせてください。さもないと私はあなたにチケットを切らなくてはいけなくなりますし、そうすればあなたもCO(Commanding Officer=横須賀基地の司令官)とお話をしなければいけなくなります」
そしたらなんとこのオフィサーは"Just give me the ticket."といってそのままチャイルドシートに娘さんを座らせることなく、ゲートを突破してしまいました。
仮にこの後、この親子が事故に巻き込まれ、娘さんがチャイルドシートに座っていなかったことが原因で負傷、最悪の場合には死亡してしまった場合、「ゲートのセキュリティは何をやっていたんだ?」ということになります。
その時におそらくこのas*holeは「チャイルドシートに座らせるよう求められることはありませんでした」と言い張るかもしれませんが、チケットを切ったという事実は残りますからね。このas*holeの娘さんの命、そして自分自身の仕事を守るためにも、彼はやるべきことをしたのです。
このセキュリティの方は「僕が誰だか知っているのか?」と聞かれた時「おまえが誰かなんてIDでも見ない限り知らないし、僕の仕事には関係のないことだ」と言い返したいのをぐっとこらえて、対応をしました。ただその直後こみ上げてくる怒りを押さえつけることができずに、奥さんに電話をしてぶちまけたそうです。
それからオフィサーといってもこんなやつばかりじゃありませんよ。素晴らしいオフィサーについても近々書きたいと思います。→ 書きました「ランクも高くて人柄も素晴らしい人は、こんな感じでした - Inside the gate」
余談ですが、米海軍のユニフォームはデジタルカモフラージュや、チーフ以上が着ているベージュっぽいユニフォーム(service khakiとよばれるもので、本記事の画像中の人物が着ているタイプ)を見ていても、「どんな人種にも似合う」ような色やデザインが選ばれていると思います。
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