Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

【離婚率の高いアメリカ】母は反面教師 A girl from a broken home

【米】小児・児童に対する性犯罪者に限って「まさかあの人が・・・・!」というタイプの人に多いというのは本当だと思った - Inside the gateという記事で紹介した、アメリカ人女性とその娘に実際に起こった悲劇に関しての続きです。
離婚、再婚を繰り返す親のもとで苦しんだことがあるアメリカ人から感想=子供の立場から見た場合の意見を聞く機会があったので、シェアしたいと思います。

なぜ再婚相手のバックグラウンドチェックをしなかったのか

冒頭で紹介した記事に登場した、自分の娘を再婚相手にレイプされたキャサリンさんはこう言いました。

「全てのシングルマザーはNational Sex Offender Registryをチェックするべきよ!」と言っています。自分と同じような失敗をしてほしくないからでしょう。

だけどこれは子供の立場から言わせると、そもそも「なぜ子連れで再婚するのに再婚相手のバックグラウンドチェックくらいしないのか」ということが疑問だそうです。あまりにも親は無責任ではないのか、というのが子供の意見。調べるべきところは性犯罪者が登録されているサイトだけではないのです。
「愛する人のバックグラウンドチェックだなんて・・・愛を信じられなくなったら世界は滅びるわ!」と言う人は、将来自分の子供の心に傷を負わせる可能性のある人でしょう。そんなあなただからこそ、この先も読んでくださいね。

自分よりも新しい夫を選んだという事実は、子供の心に深い傷を残す

このキャサリンさんの投稿に対する感想を話してくれたアシュリーさん(仮名)という女性は、継父に肉体関係を迫られたことが数回あったそうです。アシュリーさんは断り続け、強要まではされませんでした。
全て彼女が中学生の時でしたが、実の母親にそのことを話しても信じてもらえなかったそうです。「あの人がそんなことするわけないわ」と、新しい夫の方を選んだのです。
世界中が敵になっても、この人だけは自分の味方でいてくれる、という存在であるはずの親に信じてもらえないことの悲しみや怒りは、私には想像もできないものです。この頃からアシュリーさんは血のつながりというものに重きをおかなくなりました。

The Sentinel

ハムサンドイッチ、ピーナッツバターサンドイッチは二度と食べたくない

ブランド物やコスメなどに一切興味がないアシュリーさん。じゃあ何にお金をかけるのかというと、です。美味しい物を食べたい時に食べられる幸せを、今噛み締めているのです。自分で稼いだお金で、自分の食べたい物を食べられる幸せ。
またその幸せをわかちあうことが、彼女の幸せでもあります。美味しい物を一緒に食べてお喋りして楽しかったら、幸せも二倍。だから"I got it."と彼女が全て支払うこともよくあります。これは幼少期も思春期も、食べるものに困るほどの生活を強いられたことが影響しているのだろうと、私は思いました。

アシュリーさんが「二度と食べたくないし、自分に子供ができたら何があってもこれらを食べるような生活はさせない。だからこそ夫の収入だけをあてにしようと思わないし、私は真剣にキャリア設計を考えているの」という食べ物。それはピーナッツバターサンドイッチハムサンドイッチです。彼女だけでなく、おそらく多くのアメリカ人にとって貧困の象徴とも言える食べ物なのでしょう。
アシュリーさんは育ち盛りで、栄養バランスがとれた食事を最も必要としていた頃、学校で出る簡素な給食と家で母親が用意するものしか食べられませんでした。その母親が用意するものというのが、ピーナッツバターサンドイッチとハムサンドイッチだったのです。サンドイッチに関しては、また別の記事で続きを書きたいと思います。

余談

アシュリーさんのような環境で育つと、たいてい負の連鎖から逃れられず、親と同じようなことを繰り返してしまいます。だけどアシュリーさんはその鎖を断ち切って、自立して生きています。子作りに対して慎重になるのも当然です。この負の連鎖を断ち切ったことのすごさに拍手喝采を送りたいのですが、英語でうまく伝えきれないのがもどかしいです。

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