「洋書がすらすら読めるようになる単語集」が売っていたらいいなぁって思ったことはありませんか?
和訳も素晴らしい。だけど原書の素晴らしさには絶対かなわない。意味のわからない単語に気をとられなくなれば、原書に没頭できるようになるから、もっとボキャブラリーが欲しい・・・私は常々そう思っていて、1100 Words You Need to Knowあたりどうだろうと考えたこともあります。
だけど冷静に考えて、1100語くらい覚えたところでどうにもなりません。そしてよく考えてみたら、単語だけ先に覚えておいても、その単語が後で洋書で出てきた時にぱっと思い出せる確率は低いのです。→実際に買ってみて気が変わりました。この1100語は覚えておきましょう。レビュー記事【中級者向け】じっくり覚えたい一生ものの1100語 「大人の日常会話」に必要な語彙力 - Inside the gate
自分は単語だけで覚えようとしても身につかないタイプだとわかった
私は単語だけ淡々と覚えるよりも、映画や洋書の中で気になった単語をストーリーの一部として覚えた場合、ずっと覚えていられるため実際の会話の中でも使えるし、定着することがわかりました。
一冊の単語帳を覚えきるよりも、一つのお話を深く味わうことで、気になった単語・表現を積み重ねていく方が、関連付けて覚えやすいのです。
一番定着する方法は、面白いと思った映画、心に残った映画が小説をもとに製作された作品の場合、その原作を読むということ
映画を見てストーリーを知っているので、ある程度予備知識を得た状態で原作を読むことになります。するとわからない単語に遭遇しても、その予備知識と映画のビジュアル効果もあって、意味が文脈から想像しやすいのです。ビジュアルの力はすごい!
【映画を見て原作を読んだ例1】
- 原作:The Namesake
原作が圧倒的に素晴らしいけど、映画を見ていなかったら原作の素晴らしさを味わいきれなかっただろうなと思える例の一つ。やはり映画を見ることで得られる予備知識はあるんだなと思いました。
【映画を見て原作を読んだ例2】
- 原作:Damage (レビューは「ボキャビル目的で洋書を読むのはもうやめます&おすすめの洋書 - Inside the gate」という記事の最後の方で書いております)
アマゾンにレビューを投稿しました。
この映画、何度見返したことでしょうか。ジェレミー・アイアンズが演じる政治家スティーブンの堕ちっぷりがすごい。破滅するとわかっていても追わずにはいられない女・アナを演じたのはジュリエット・ビノシュです。典型的なファム・ファタール系のいい女ではない彼女が演じたところがまた面白かったなぁと思いました。
原作は抑制された文体というのでしょうか、淡々と静かに綴られているのに、スティーブンがアナに狂わされていくのがよくわかりました。電車の中で読んだりせずに、ある程度まとまった時間が取れる時にゆっくり読んでほしい作品です。
【映画を見て原作を読んだ例3】
身分の違う男女の悲恋・・・ああ、ありがち、かと思いきやそうではありませんでした。
愛する女性の両親に、自分が貧乏=教養がないと馬鹿にされ、交際を反対されているのを聞いてしまった時のデューク。その時にたった一瞬見せた表情なのですが、その表情が物語ったものに心が締め付けられるようでした。青年期のデュークを演じたのはライアン・ゴズリング。
ライアンのための、ライアンによる、ライアンの映画(笑)。
原作は比較的平易な英語で書かれていますが、だからこそ英語ってこんなに美しいのかと思いました。そしてこれを読んでいて「小説を書くってこういうことか」と感動しました。
難しい言葉もひねった表現もいらない。そういうことをしなくても、読んでいる者の心をつかんだまま離さない。
原作も読みました。レビュー記事>>高校(特に女子高)の英語のリーディングの教科書にすすめたい一冊 - Inside the gate
ソープオペラ(ドラマ)も英語表現を楽しみながら覚えるのには最適です
- (21)誰かを愛する限り嫉妬はつきもの。嫉妬に苦しみたくないのなら、恋愛はしない方がいい - Inside the gate (「デスパレートな妻たち」より
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「グレイズ・アナトミー」のメレディスは反面教師にしたほうがいい - Inside the gate「グレイズ・アナトミー」より
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