「日本人だけの団体客のテーブルはモチベーションが下がるよね」
「一応基本給はもらっているわけだから、普通にサービスはするけど、やっぱりチップがもらえないのなら手は抜きたくなるよね。特に忙しくなってきたら、チップをくれそうなテーブルを優先しちゃう」
横須賀基地で働くIHA/HPT従業員達(そのほとんどが日本人とフィリピン人)は防衛省によって雇用されていますから、当然給料は日本政府に納められる税金で賄われています。要するに納税者に飼って貰っているような状態ですね。
ですからその納税者である日本人が来店しているというのにモチベーションが下がるというのも失礼なのですが、私はその気持ちが理解できるのです。
誰だって同じようにサーブするのなら、チップがもらえないテーブルよりはもらえるテーブルにつきたいのは当然です。
日本人客はチップを残さない
基地の中のレストランはアメリカのレストランと同じように、ウェイトスタッフ達にはチップを 残すことになっていますが、日本人客の中にはこれを知らなかったり、あるいは常連でそのシステムを知っているはずなのに「日本人だから知らないってことで いいよね」と置かない人がいます。
チップのシステムを知っていながら、チップを残さずに常連になれる日本人客は相当図太い神経の人達だと思いましたし、反面教師にしようと思いました。
そもそもチップはあげなくちゃいけないものなの?
サービスがあまりにもひどくない限り、奉仕への感謝を示すものとしてあげるものです。そもそもアメリカではウェイトスタッフの時給がとても低かったため、飲食代金に応じた額をチップとしてあげる習慣が始まったとのこと。
だけど日本人には馴染みのないシステムですよね。店側にどんなに色々よくしてもらったとしても「それがあなた達の仕事」というのが当然の文化ですから。
それから日本人客でこう誇らしげに言った人がいます。
「私はどこのお店に行っても必ず『ご馳走様でした。美味しかったです。また来ます』というようにしています」
はっきりいいましょう。言葉よりもチップの方が喜ばれます。同情するなら金をくれ!じゃないけど、感謝するならチップをくれって感じですね。
アメリカ人客とは違った意味で手間がかかるのが日本人客
アメリカ人客は、調理方法やら、サイドにつけるものをあれじゃなくてこれに変えてくれなどと色々と細かくて面倒ですが、日本人客は別の意味で手間がかかるとウェイトスタッフ達はいいます。その理由の一つは、英語のメニューに慣れていないからです。
書かれていることは日本のレストランのメニューとたいして変わりなく、言語が違うだけです。また、「おすすめはなんですか?」とウェイトスタッフに聞いたところで、ウェイトスタッフはあなたの好みを知りません。せめてappetizer(前菜)についてたずねているのか、それともentree(=メインディッシュ。アントゥレイと発音)についてたずねているのかくらいははっきりさせた方がよいです。
そして色々たずねたいことがあるのもわかりますが、そうやってウェイトスタッフを独占している間にも、そのスタッフが担当している他のテーブルの客がいらいらしながら待っていたりします。
もう一つの理由は、日本人独特の色々頼んでシェアが当たり前の文化がウェイトスタッフを苦しめるのです。
米軍基地のダイニングのメニューはアメリカ人向けに作られています。ということは基本的に「自分の食べるものしかオーダーしない」ということです。だけど日本人は団体で外食する場合、色々頼んで皆でちょっとずつ、というオーダーの仕方をしますよね。これがウェイトスタッフを苦しめるのです。
このちょこちょこ食べをダイニングでやっているとあまりスマートではないと思うのですが、その理由はこちらの記事に書いております>>ベースで日本人客が冷たい対応を受ける理由 - Inside the gate
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