Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

英語教育は小学校低学年からでも遅くはないと思う理由


元子供英会話講師として4年間働き、教えた子供の数は生後8か月から17歳まで合計400人近くになる筆者にもしも自分に子供がいたら、英会話教育は早くても小学校低学年くらいから始めると思います。
ベビーコースも担当していましたが、「英語であそぼ♪」「英語に小さい頃から触れることによって、それに対する拒否反応を小さくしよう!」と言った目的で母国語も喋れないうちから英語を教えるのはやはりおかしいなぁと思っていました。
なぜなら母国語のレベルはそのまま外国語にも反映されるからです。母国語の語彙が貧しい人は、外国語を喋ってもやはり貧しく、話はつまらない。
母国語でも話し方が汚い人は、外国語を喋っても汚い
もちろん講師としてのノルマがありましたから、体験レッスンにいらしたお母様方には「まだ母国語、外国語の違いもわからない脳みそが柔らかいうちに英会話を始めると、こーんないいことがありますよぉ♪」と言って入会に持っていくわけですが、心の中では「自分に子供がいたらベビーコースなんてやらない」と思っていました。英語のシャワーを浴びるよりも、人間性を育てる方が先です。語学はそこから。

Elaine baby

日本語と英語の垣根がない赤ちゃんや幼児の方が覚えるのも早いでしょう。だけどその分忘れるのも早い!幼稚園に行けばお友達と日本語でおしゃべりするのが楽しくて仕方がないんですもの。週に1回のレッスンで習った英語なんてすぐに頭の中から押し出されてしまいます。
だから「(こういう目的があって)英語が話せるようになりたい」と言って中学生から習い始める子が、幼い頃から英会話スクールに通っていた子にあっという間に追い付いてしまうケースもあります。

関連記事:子供英会話スクールで英会話力が伸びる子の特徴 - Inside the gate

 

なぜ小学校低学年なのか

自我が確立され、母国語でもボキャブラリーがどんどん増えて、自己表現の幅が広がってきているからです。表現したいという欲求を、英語で満たさせるようにすれば楽しいでしょう?

そこでおすすめするのは、覚えることを目的としたテキストブックではなく、英語で考えて感じて描くタイプの教材です。

【対象年齢】年長~小学校2年生くらいまでの子供

開くのが苦にならないテキスト

まず「君だけの世界を描こう」という自由で気楽なタイトルがいいです。

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他の習い事で疲れていても、これなら開いてみようという気になる。
そんなわけでのびのびとフリースタイルで行くぜ!とページをめくっていくと・・・・

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傘の下に人を描くだけ。その傘からイメージする人を思い浮かべるのも楽しいでしょう。だけど最初は書かれているインストラクションがどういう意味なのかわからない・・・。だけどモチベーションがあれば

Addってなあに?
peopleってなあに?
underは?

このようにたずねてくるでしょうし、今の時代の子供達ならウェブで自分で調べてしまうでしょう。自分で推測してしまう子もいるかもしれません。


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「ジョークを描いてみて」

あれ?でも英語を使って表現の欲求を満たしてないんじゃない?
英語のインストラクションを読んでいるだけでしょう。

はい、そうですね。だけどこのくらいの年齢の子供ならば、「読もう」というモチベーションがあり、英語に触れるのが苦にならないだけでもいいです。書く力なんて後からすぐについてきます。

次のページはどんなお題があるんだろう?
そんな風にわくわくさせてくれるテキストであれば、英語に対する「難しそうだから嫌だ」という先入観が和らぎます。

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「蜂たちのためにお花を植えて」

簡単な文章ですが、動詞の後に目的語がくるとという大人なら当然気になってしまう文法的なことを気にせずに、ああそういうことか、とすっと食いつけるのが、こういう気楽なテキストのよいところです。
そして数年後に文法用語を使った授業を受けるようになって、「そういうことだったのか」と思うわけです。それでいい。文法なんて必要ない!なんて思わないでくださいね。長年勉強していると、やはり文法をはじめとする基礎は大切であるとつくづく思います。
This is a pen.というフレーズを実際にネイティブスピーカーに対して使うことは、一生に一度あるかないかでしょう。だけどこのシンプルで不自然な文章を習わなければならなかった理由は、あとからわかるものです。

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「この海底を、泳ぐもので埋め尽くして」

with things that can swim. なんて風に関係代名詞まで出てきました。大人が開いても楽しいと思います。

Draw Your World (Doodle Books) (英語) ペーパーバック – 2014/11 

Dream Big, Draw Bigger (Drawing Books) (英語) ペーパーバック – 2014/5/16


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