Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

農村の古民家で面白い体験ツアーを企画してみたい

 

昨秋に訪れた古民家カフェTsukikoya Coffee Roaster(横須賀市追浜)に触発されて、筆者の生まれ育ったぼろい実家古民家で何か楽しいことはできないだろうかと考えるようになりました。
筆者が生まれ育った家を紹介しつつ自己紹介も兼ねた記事にしたいと思います。尚、お食事中の方はご遠慮ください。

 

1.こんな人に来てほしい

都会暮らしに疲れた人。でも来るのはコロナウイルス感染の心配が確実になくなってからお願いします。筆者は実家に帰ると気付くことがいくつかあり、その一つが「いかに自分が普段ちゃんと眠れていないのか」ということです。

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筆者はなぜか実家に帰ると、アラームなしでも早く起きることができます。なぜか?それは後程詳しく書きたいと思います。

2.人によっては気が狂うかもしれないカエルの大合唱

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入浴していると外から聞こえる途切れることのない蛙の大合唱。筆者はこれがあたりまえで育ったため、帰省してお風呂に入ってこれを聞くとほっとします。セラピーみたいなものです。夫は最初は驚いていました。蛙の鳴き声の大きさそのものよりも、それしか聞こえてないということに驚いていたのです。

3.ちゃんと寝静まる村

私の実家がある街は開発に力を入れている区域があり、当然若い夫婦達が集まり活気があります。私の実家周辺の集落はその逆で、完全に取り残された区域というか、切り捨てられた地区にあります。ですから住宅建設のラッシュとも無縁でとても静か。

a cold night in late winter

(これは実家とも近所とも関係ありません。Flickrからの借り物です)

徒歩圏内に病院、コンビニ、ファミレスがあり、夜中になっても車が走る音や、マンション内のエレベーターが動く音、同じフロアの住人が帰ってきてドアを開ける音が聞こえる生活をしていると、街が眠ることを許されていないように、私達自身も実はぐっすり眠れていないのではないかと思います。
だけどここに帰ってくると、静かな夜があります。静寂という音に包まれて眠るようです。自律神経がニュートラルに戻るような感じ。ですから朝も比較的すっきりと目が覚め、しかも前夜に飲酒でもしない限りアラーム不要です。

4.肥溜め

平成生まれの方々は肥溜めを見たことがある方はあまりいないし、その言葉の意味すら知らない方が多いのではないでしょうか。屎尿を再利用して肥料にする方法ですが、画像中央に見える石でできた蓋をずらして、そこから汲み取って使用します。

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 石であのように隠してあるとまるで魔界への入り口みたいですね。
画像に映っている木造の壁は農舎の一部で、壁の向こうはトイレになっています。もちろん和式。農舎の二階では猫の死骸が時々見かけられました。野良猫が最後に死に場所として選んだのか・・・。
小学生の頃、朝起きて学校に行く支度をしながら自宅の洋式トイレを巡って争奪戦になった場合、この農舎の和式トイレを使うという選択肢が残されていましたが、怖くて使えませんでした。肥溜めに落ちそうで。滞在する方には家族でさえ使いたくないこのトイレも是非使っていただけたらなと思います。

5.荒地でBBQや花火

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冬囲いがしてありますが、雪から何を守っているのかはわかりません。
祖父母が元気だった頃はこの荒地にビニールハウスがあって野菜を栽培していましたが、二人が認知症を患いそして他界してからはこのとおり荒れ放題でした。ですがあるとしのはる、兄がバジルの種を蒔いたところ、この荒地の至る所にバジルが育ち始め一時はバジル採り放題になるほどだったのです。「これからはバジルを買うのがばかばかしいわ♪」と皆で大喜びしていたのもつかの間、冬がやってきたらバジルは死に絶え、その後はまた荒地に戻りました。放っておくのももったいないので、花火やバーベキューをするのによいかと思います。
尚、この集落は夜7時になると静まり返るため、花火をして楽しむ声が夜空に響き渡るのは珍しく、また夏がやってきた感じがしていいなぁと思います。

6.天然の冷蔵庫

これは築70年でトイレ以外は改装していないのぼろ家の特権でしょう。

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雪国の冬は厳しいですが、ここ30年くらいは家を建てる際に多くの人がセントラルヒーティングを取り入れているため、家の中に入ればどこにいても暖かいのです。真冬でも半袖短パンでOK。ところが私の生家は違います。
築70年の古い家でセントラルヒーティングなどないため、各部屋に何かしら暖房が置いてあります。エアコン、石油ファンヒーター、石油ストーブ。ですから部屋の中は暖かいのですが、その部屋を一歩でると極寒で(古い家なので隙間風が入ってくる)、もはや別世界ですよ。それを利用して我が家は茶の間や座敷に集まって宴会をする時は、廊下を冷蔵庫代わりにしています。
お刺身やお寿司は皆が少し飽きてきたようならばすぐに極寒の廊下に出す。味が落ちるのを遅らせることができるからです。あとは食べたくなったら自分で廊下に取りに行く。デザートもそこに置いてあるのでお台所まで取りに行かなくてもよい。

7.謎の物干し台

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晴れた日はこんな風に何の問題もなく使える干せる物干し台は、DIYが大好きな父が作ったものですが、天候が悪い日は使えません。これは雪国で致命的です。

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なぜこのように作ったのか謎ですが、父が気を悪くするといけないので誰もそこはつっこめません。雪国なのだからサンルームにしてくれないと・・・せっかくなので広めのサンルームを増築し、庭に面した茶室にできないものかと思案中ですが(池も作りたい)、滞在していかれた方が何かよいアイデアがあれば是非お聞かせ願いたいです。

8.農村を散歩する

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私が帰省して集落を散歩する度に驚くことは「赤いザリガニがいない」ということ。これに尽きますね。幼い頃兄弟三人で網を持って近所の小川でザリガニを捕まえて遊んでいた頃は、8割が茶色いザリガニで残りの2割が赤いザリガニ(アメリカザリガニ)でした。
この2割の赤いザリガニを必死になって捕まえた日々を回想しながらともに網を持って近所の川を覗いたりしましょう。

 

9.心霊体験

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 私の夫が「アベ家のメインアトラクション」と呼んでいるのがこれです。かつて母が「田植え体験と心霊体験のパッケージツアーにしたら都会から人は来るかしら?稲刈りと精米が終わったら田植えを手伝ってくれた人にお米を送るし」とぼやいておりましたが、あの人が何を企んでいるか私は知っています。自分が感じているものの正体を知りたいのです。だから宿泊した人が何か言い出すのを待っているのでしょう。
ちなみに私は霊感が強い人が宿泊したらこの画像中央の観音様を見て何か感じるのではないかと思っております。私が幼い頃、夜中に移動しているのを何度か見たことがありますが、いまだに誰にも信じてもらえません。
慣れてしまったせいか怖い感じもしないけど、かといって見守ってくれている霊でもなさそうな・・・なんなのでしょう。

10.昭和後期へのタイムマシン

はしごが立てかけてあるだけのように見えるほど急なこの階段は、小屋の中にあります。この階段を上るとそこには昭和後期の世界が広がっています。

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私達兄弟が独り立ちして家を出て行ったあと、父が少しずつ家から私達兄弟のものをこの小屋の二階に運び、ノスタルジックな空間を作り出すのに2年くらいかかったそうです。そりゃそうですよね。物を持ちながらこの階段を上るのですから(笑)。夫が実家に初めて遊びに来た時この世界に一番感動していました。二階の様子は残念ながら公開できません。

「デジタルデトックスしようかな」と思ったら、せっかくですから都会から離れてリセットしてみませんか?


関連記事:田舎に夫を連れて帰ったらこうなった - Inside the gate

追浜散策&古民家カフェ「ツキコヤ」に行ってきました

「丘の上にあるからかなり歩くし見つけにくいけど、絶対行ってみる価値のある古民家カフェ」と常々周囲から噂を聞いていた追浜の古民家カフェ「Tsukikoya Coffee Roaster」(以下ツキコヤ)に行ったのは昨年の9月になりますが、なんと追浜駅で下車するのは15年ぶりということに気がつきました。
また筆者はリアル古民家で育ったため、「うちの実家なら大きいしもっとこんなこともできるのでは?」という風に実家で何か商売はできないものかと触発されました。ひらめいたアイデアについては冗談として記事の後半で触れたいと思います。

 

追浜駅周辺の変化 ネパール人女性が多い

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駅前の様子。15年前と比べて変わったといえる点が一つ。ネパール人女性が多い!綺麗な人が多いですね。羨ましいぞ、その彫りの深い顔立ち!横須賀中央駅周辺を歩いていると、ネパール人男性はよく見かけるのですが(カレー屋が多いため)、女性はそんなに見かけないので新鮮な感じがしました。私達が最後に追浜に降り立った時はペルー人男性が多かったと記憶しています。ペルーの方はデスパレートな男性が多いですね。日本人女性と結婚して日本にとどまりたいのかな。

そして丘の上を歩いていくと・・・

眺望良好 駅から徒歩15分の新興住宅地

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マンションも戸建ても新築が多いですね。丘の上からの眺めは昼間でもこんな感じで平潟湾や東京湾を見渡せて解放感がありますが、夜になると家々に灯りがともりちょっと素敵な夜景が見えるかもしれません。駅からは少し遠いため真夏日はこの勾配、距離を歩くのが辛いところですが、この丘の上を歩いて帰宅しようとなるとおのずと深酒はしなくなりますから、そういう抑止効果はいいと思います。それから電動自転車があると便利でしょう。

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今回は夫と歩いてツキコヤに向かったのですが、途中に小学校の通学路があり、集団下校中の子供達が夫を見て「すげーアメリカ人だ!」と言ったのには笑ってしまいました。横須賀中央あたりだとアメリカ人なんて日本人より多いのではないかというくらいですから珍しくもなんともないのに、特急に乗って二つ目(※)の追浜では同じ横須賀市内でもこんなにアメリカ人の人口が違うのです。
(※)2020年4月現在京浜急行線の特急は停まりますが、快特は追浜には停まりません

途中で道に迷ったら、私達がカフェを目指していることを察したと思われる女性が声をかけてきてくれました。そして途中まで一緒に歩いてくれてそこから先の行き方も教えてくださり、とても親切にしていただきました。彼女がこのブログを読んでいるはずもありませんが、その節はどうもありがとうございました。

ツキコヤが見えてきた!

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古民家カフェ・ツキコヤという空間への入り口は、思ったよりもずっとひっそりとしていました。目立った看板も出ていませんがインスタバエ達は何としてでも見つけ出すに決まっているでしょう(苦笑)。

インスタバエや女子トークから守りたくなる空間

演出された感じがほとんどせずとても素敵だと思いました。

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現在は築60年くらいになっているであろうリアル古民家で育った筆者は、コンセプトが昭和とかレトロとかそういうところに行くとどうしても「頑張って演出しました!」という感じが好きになれなかったのですが、ここは雰囲気が本当によくて、漂っていた「気」がよかったです。

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平日に行ったため私達夫婦しか客がいなかったというのも関係あるでしょう。週末だったら女子トークしながらマウンティングに精を出す女性達であふれかえるでしょうから、この日と同じものを感じ取ることはなかったと思います。あと日本人女性は比較的声が高い人が多いため、普通に話していてもキャーキャー言っているように聞こえてしまいますが、この素晴らしい空間であのキャーキャーというのは聞きたくないなと思いました。
ツキコヤはだいたいここらへんです。グーグルマップを貼っておきますね。

ナビは以下の記事がわかりやすいです

hamarepo.com

売っても二束三文のド田舎の実家で何か面白いことをできないだろうか?

 

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冬囲いが済んだ筆者の実家です。 古民家の雰囲気が好きな人が滞在したら絶対に気に入ってもらう自信があります。ツキコヤでコーヒーを飲みながら夫がひとこと「このお店はとても素晴らしいけど、君の生家の方が雰囲気はいいよね。アトラクションも多いし(にやり)」と言いました。そのアトラクションも含め、かつて筆者の母は無謀にも商売をしようと思っていたのです。
長くなってしまったのでこの無謀な企画についてはまた次の記事で書きます。

【訂正あり】横須賀中央ふらつ記(26)コロナウイルスの脅威で静まり返る街


そろそろキッチンに立つのも嫌になってきました。
外で美味しいものを食べてお皿も洗わずに済むあの頃に戻れるように、今は我慢ですね。
ところで今日の横須賀は久しぶりの土砂降りで、街の至る所に生き残っているであろうウイルスを流したり破壊したりしてくれるのだろうかと考えながらこの記事を投稿しております。

横須賀市内の新型コロナウイルス感染症患者の発生状況(4月17日更新)|横須賀市 によりますと、ここ数日は1,2人/日のペースで感染者が確認されています。この数字だけ見るとコロナウイルスの感染拡大の恐れは、横須賀ではまだそれほど大きくないようですが、繁華街は静まり返っています。

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横須賀基地のウイルスに対する警戒レベル HPCON(Health Protection Condition)

 

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私が最後にベースの前を通った時はHPCONがBでしたが、私の夫も含めベースの従業員が自宅待機をしているということは、Cに上がっているでしょう。まさかのDということはないと思います。Dになったらもうスーパーへの買い出しすらいけなくなるでしょうから。
基地の司令部も定期的にFacebook でCOVID-19に対する対策を発表しています。これは基地の従業員だけでなくその家族も遵守しなくてはなりません。そんな中CFAYの投稿についたちょっとアホなコメントがシェアされているのを発見しました。

「何人からがグループなのか勘違いしている人もいると思いますので、もう少し詳しく説明してもらえませんか?」というコメントに対しCFAYはたった一言"More than one."と回答。二人からグループとみなします。以上!みたいな感じですよね(爆)。elaborateという動詞まで使った質問に対したったひとこと!まさにCFAY has no chill!!!!これは笑いました。
上でシェアされたのは該当の投稿そしてコメントのスクリーンショットで、コメント投稿者の名前は見えないようにしてあります。暇だった筆者はその投稿者の名前を見るためにCFAYのページまで飛びました。そして見つけ出しましたよ(笑)。「何人からがグループとみなされるのですか?」という質問をするような人の人物像とはだいぶ違いましたね。

Social distanceをしっかり守ってウォーキング

筆者の秘密のウォーキングコースです。ほぼ誰ともすれ違うことがないため、気分転換に散歩したいときにはうってつけだし、勾配があるためちょっとした筋トレにもなります。

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このコースですと、途中にあるものと自体重を負荷にして上半身も軽く鍛えられます。翌日は体全体、特に脚全体(ということはふくらはぎも含む)とお尻がsore。ふくらはぎにも効く勾配ってどんな勾配???それは内緒です。でもこの画像でわかりますよね(笑)。

そして海岸通り。

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以前にもうちの近くでアメリカ人を見るとついやってしまうこと - Inside the gateという記事で書いたように、ここらへんのマンションはどうかなぁと狙っています。逗子に家を買うというのは計画から消えました。ただここらへん(海岸通り沿い)は地震が来たらもうひとたまりもない気がするんですよね。確か日の出町から向こう側はすべて埋立てと聞いたことがあります。平成町のマンションも新しくて眺めもよいのですが、あれだけ安いのにはやはり理由があるわけで・・・なんて考えながら歩き続けてHonchの方に向かうと・・・

セブンイレブン本町二丁目店が営業時間短縮

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Honchから消えてはならぬ灯りがまた一つ消えました・・・といっても閉店したわけではありません。深夜0時~朝5時までの営業を休止するのです。理にかなっているでしょう。基地で暮らす米兵達はもうベースの外にほとんど出てこないし、Honchのバーも閉まっているでしょうから、この灯台的なセブンイレブンを明け方まで開けておいても採算が取れないのでしょう。
今から二か月前はまだこんな記事がかけるほど、セブンイレブンは横須賀基地周辺のアメリカ人のライフラインとして常に混んでいました。ちなみに空母がいる時の週末の夜、セブンイレブン本町二丁目店はこんな感じです。

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(この画像を投稿した当時の記事:KIRINの氷結STRONGはなぜアメリカ人とフィリピン人に愛されるのか - Inside the gate

「俺達はどこでチューハイを買ったらいいんだよー」という声がベースから聞こえてきそうです。

心のオアシスが復活!【訂正】他のお店になります

もう少し足を延ばしてみると・・・

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実はこれ、確か1月くらいに撮影した時のものなのですが、シェアし忘れていました。

心のオアシスが閉店しました - Inside the gateと思ったら復活していたんですよ!このお知らせを見た時うるっと来ましたよ!!!で先日ウォーキングした時に通ったら、さらに新しい張り紙がしてあって「さくらの咲く頃に開店いたします」というようなことが書かれていたと思います。ただこのCOVID-19がここまで騒ぎになる前に貼られたものと思われますので、おそらくゴールデンウィーク開けから開店ではないでしょうか。→→訂正いたします。私の心のオアシスはCafe Concertというお店で当初はリオープンする予定でしたが、株式会社テクノネットの経営のもとCentral Park Apartment Hotel&Reception Cafeが新規オープンするそうです。教えてくださった方、ありがとうございました。

実はこの他にも喫茶店ネタは溜まっており、少しずつ紹介していきたいと思います。安心して外出できるようになったころ、是非行ってみてくださいね。

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Captain Crozierの航海は続く

現在グアムに寄港中で、サンディエゴを母港とするニミッツ級空母、U.S.S.  Theodore RooseveltのCrozier艦長が更迭されました。艦長が危機的な現状について記し、支援を求めた手紙を米海軍の指揮系統だけでなく、外部も宛先に含んだ判断がプロフェッショナルではないということと(外部へのe-mailは保護されていないため何かとリスクが大きい)、また手紙の内容が「まるで政府や米海軍が空母上での感染を阻止するためにやるべきことをやっていない印象を与えたため」ということです。

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私もツイッターでグアム在住の方とこのことに関して最初のやりとりをしたのが3月28日で、その時点で既に空母内の感染者が3人から30人以上に増えていました。そして先月末である31日には100人を超えていました。
ここから先は筆者の推測ですが、Crozier艦長は当初、しかるべき手段(=米海軍の指揮系統を通じて行うこと)で支援を求めていたはずです。そしてそれなりの支援が早急に行われていれば、感染がここまで広がることはなかったのに、最低限の指示があったのみで必要な支援が行われなかった。だから艦長はもうやむをえず外部を巻き込み(リーク)→メディアに広まる→米海軍幹部の面目丸つぶれだけど、メディアに出てしまったことにより尻に火がついて海軍は支援を急いで行う→今ここ。
Crozier艦長がもしも手紙をリークせずあのまま支援を待っていたら、感染者は500人、1000人と増え、結局更迭されていたのではないでしょうか。支援要請のe-mailの宛先に外部を含んだ時点で、それは同じように宛先に含まれていた米海軍幹部の目に触れ、またそれがどういうことになるのか、Crozier艦長は覚悟していたでしょう。
どうせ更迭されるのであれば少しでも感染者が少ないうちに=船員達を道連れにしなくて済むよう、自分のキャリアを犠牲に、ということだったのではないでしょうか。このクラスター発生が母港にいる間に起こったとしても災難だったのに、よりによって定期展開に出ている最中に起ったのはもう泣きっ面に蜂でした。
尚、NBCニュースによりますと、Crozier艦長は今後も米海軍にとどまり、Captainのランクもそのまま維持されるそうです。ほっ。まだまだCaptain Crozierの航海は続きます。舵取りもさせてもらえるとよいですね。

www.nbcnews.com



"Captain Crozier!"と呼び続ける船員達を後にしRooseveltを去るCaptain Crozierの姿。背負ってきたものの大きさを感じさせる背中が印象的なのと、その背中を船員達が見つめる中去っていく寂しさがあります。最後に振り返り、船員達に手を振って車に乗るところなんてもうまるでハリウッド映画を見ているようです。


Captain Crozier、横須賀に戻ってこないかしら。