Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

新型コロナウィルスに対するポリシーが緩和されてきた横須賀基地

新型コロナ対策と横須賀基地(とその周辺) - Inside the gateという記事を書いていた頃は、外出が許可される範囲が厳しく制限されていましたが、HPCON(Health Protection Condition Levels)がC→Bになり、なんとここまで広がりました!

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神奈川県外で遊びに行ってよい範囲が広がった!

前回コロナ関連記事を書いた当時は、神奈川県外といえば山梨県、静岡県にしか出られなかったのですが、なんと今回は西は滋賀県、東は福島県まで広がりました。ただし埼玉・群馬・茨城への外出はまだ制限が解除されていません。最近はアメリカ人達から「善光寺に行ってきたよ」「黒部ダムを見に行ってきたよ」という声を聴きます。やはりみんな、横須賀から離れて観光を楽しみたかったんですよね~。
ただ東京、川崎はまだ行けませんし、横浜、千葉は遊びに行ってもいいけど屋内のレストランでは飲食不可。「そんなのどうせバレないんだから大丈夫でしょ」と言いたくなる人もいると思いますが、バレたらどうなるか・・・・ということは、関連記事で書きましたのでそちらをご覧ください。

明暗が分かれた基地周辺の飲食店

横須賀基地のHPCONがCだった頃は、ベースの外の飲食店でアメリカ人を見かけることはほぼありませんでした。ベースの外で許可されていたのは日用品や食料品の買い出しのみ。それもお買い物リストを事前に用意してそこに書いてあるものだけ買ってさっさと帰れ!みたいな感じでしたし、利用できるお店も限られていました。
ですからコロナウイルス感染の脅威にさらされる以前はいつ見てもアメリカ人でにぎわっていた飲食店(アメリカ人客に依存していた店)は・・・・当然経営が苦しくなったはずです。

そんな中で一人勝ちのように見える飲食店がConeLi.

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横須賀中央駅からベースに向かって徒歩2,3分のところにあるイタリアンレストランなのですが、画像だとアメリカ人客でにぎわっている様子が伝わりにくいですね。だけどここ、本当に横須賀中央では一人勝ちに見えました。
なぜなら御覧の通りテーブルが外に出ていて、2階にはテラス席がある!規制が緩和された後もしばらくの間「ベースの外では、屋内のレストランでの飲食は禁止」と言われてきた米軍関係者達にとって、ConeLiは「少人数で集まって談笑を楽しみながら食事ができる場所」の数少ないオプションの一つだったため、毎晩のようにアメリカ人客達がやってきたようです。
このお店はコロナウイルスの騒ぎがない頃からテラス席、屋外のテーブルを使って営業していましたが、それがまさかこんなところでこんな風に役に立つとは思いもしなかったことでしょう。立地と客層がここまで見事にマッチするケースもなかなかないなぁと思いました。

PIZZERIA BAR ConeLi (ピッツェリアバールコネリ) 横須賀中央店
〒238-0008 神奈川県横須賀市大滝町1-10-1
1,200円(平均)780円(ランチ平均)
r.gnavi.co.jp


横須賀基地の司令部が出しているコロナウイルスに対する対策は、10月11日現在ではこのようになっていますので、興味がある方はご覧ください。ベースに勤務している方はチェック必須!

 さあ、ここで気を緩めずにクラスター感染を抑えましょう。そして次回は筆者がステイホームをしていた頃に幸せを感じた横須賀のグルメについて書きたいと思います:)

関連記事:新型コロナ対策と横須賀基地(とその周辺) - Inside the gate

「あの人は日本が嫌い」と決めつける人達に欠けているもの

ツイッターをやっていると「これをどう読んだらそう解釈できるんですか????日本語わかりますか?!」と頭がスピンしてしまう時がありますが、横須賀基地にはそういう日本人従業員が大勢いました。
接客業に就いていた時も、事務職にトランスファーしてからも・・・。
情報リテラシーがないとか、ちょっと考えればわかりそうなこともわからない人達については情報が交錯するベースでガセネタを広めるいい加減な人達 - Inside the gateという記事で書きましたが、今回は少し違います。

 

筆者が日本人従業員やミリ妻と話していて感じることの一つに、外国人の立場になって考えてみる力の欠如が挙げられます。
例えばさおりさんという女性がブライアンさんという男性のことをこう言いました(両方とも仮名ですが、実際にあった話です)。
「ブライアンは日本が嫌いなの。『すごくいい国だと思うけど、オフィサーとしてのキャリアを築くためにはずっと日本にとどまっているわけにはいかない』っていうの」

どうしてこれが=日本が嫌い、と解釈されてしまうのか私にはわかりません。
米軍将兵達にとって、日本はキャリア形成における通過点の一つでしかないのです。そこまで理解してないと、ブライアンさんのような大人の男性とは会話が成り立たないでしょう。

Japan


考えてみてください。もしもあなたがラオスに1年赴任して「ラオスは美しい国だけど、そろそろ日本に帰って(あるいは他の国へ行って)、XXの経験を積まないとね」と言って、ラオス人が「あなたはラオスが嫌いなのか!」と言ってきたら、どうしてそういう話になるの?!と思いませんか?だけどこのラオス人のようなミリ妻も日本人従業員も、残念ながらかなりいます。おそらく世界中どの国に売られている世界地図上でも、日本が真ん中だと信じて疑わない人々。
おそらくさおりさんにとって、日本が好きな外国人というのは、日の丸の鉢巻をして、回転ずしの楽しさを熱く語って常に「日本最高!」と言ってくれる、人生が日本を中心に回るようなマニアのことを指すのでしょう。筆者はむしろ日本の闇の部分も理解しようとして、そのことについてオープンに話せる外国人の方が信頼できます。
さおりさんのような人も大勢いますので、「あのアメリカ人は日本が嫌い」という話は、3割くらい聞いて7割は聞き流すくらいでよいと思います。時々本当に日本のすべてが気持ち悪くて嫌、という人もいますけどね。

 

 関連記事

アメリカ南部で愛飲されるSweet teaに入れる砂糖の量がすごすぎる

アメリカ人はアイスティーの好みで出身地がわかる - Inside the gateという記事でも書いたようにアメリカ南部の州出身の人達はSweet teaが大好き。

Southern Sweet Tea Watermelon Mint

ところがこのsweet teaなのですが、入れる砂糖の量が多すぎて怖くなりました。この量を知らなかったら、いつか南部に旅をする日が来たら喜んで飲んでいたと思います。知らない方がよいことってあるんですね。


このサイズのジャグに対して入れる砂糖の量が、なんと1カップ!そしておどろく筆者をよそに左側の男性は「1カップ??砂糖なんて計るもんじゃない。どさどさっと放り込んでいいんだよ。っていうかこれじゃUnsweet teaだ」とまで言っています。ぎゃぁぁぁーーー!

これを子供のころから当たり前のように飲むのは危ないのではないか?と思い、夫の意見を聞いてみたところ、以下のように話していました。

(1カップの砂糖をあの大きさのジャグに入れることに対して)


That's not a lot of sugar for sweet tea. Hardly any really.

And it's a problem.
You should see how much sugar goes into everything down there (south).
Unfortunately the kids are raised thinking it is the normal amount, so they grow up not knowing any better.
Or they learn better but it's a hard adjustment to change their diet to hardly any sugar.
Sugar addiction is real.

ちなみに筆者がベースで接客業についていた頃観察していて気づいたのですが、あの白いドレスユニフォームがびしっときまっている、腹の出ていないオフィサー達はUnsweet teaを好んで飲んでいる人が多かったです。日頃小さな節制を積み重ねることで、きついダイエットをしなくてもいいようにしているのでしょう。


関連記事:アメリカ人はアイスティーの好みで出身地がわかる - Inside the gate

noteを投稿しました 2020年09月09日

外専といえば、数年前にどぶ板で飲んだ時に、山口小夜子さん風のエキゾチック美女を目指しているんだろうなと思うんだけど、顔が怖くて直視できないぶらぱんを見かけたのですが、彼女は今でも元気に活動しているのでしょうか。

新型コロナ対策と横須賀基地(とその周辺)

皆さん元気にsocial distancingを実践していますかー?久しぶりの更新です。
Shelter in place(できる限り自宅に避難していること)の状態からあらゆることが緩和され始めた横須賀基地ですが、米海軍将兵や従業員達の多くがshelter in placeを実施していた間、ベースはどうなっていたのでしょうか。

 

1.入門時に簡単な健康チェック

HPCONがBからCへ引き上げられた頃を思い出しながら書きます。

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筆者の夫は、最初は週2日ほど出勤して残りはテレワーク。そして週3日に・・・というペースで現在は週5日出勤する形に戻っています。
従業員の多くがテレワークしていた頃、出勤する度にこ上の画像のスタンプカードのようなものをセキュリティに出し、簡単な健康チェックに関する質問を受けて、彼らに当日の日付なりサインなり記入してもらったら、ゲートを通過できるようになっていました。

2.繁華街からアメリカ人が消えた

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ベースに暮らす将兵及び民間人達は、原則的にベースの外に出てはいけないことになっていたため、横須賀中央の繁華街からアメリカ人が消えました。当時は日本人も外出を控えていたためただでさえ閑散としていましたが、オフベースで暮らすアメリカ人達が通勤する姿を見かけるくらいでしたし、彼らも必要最低限の買い物だけして自宅に直行する毎日でした。ベースに暮らすアメリカ人にしてみたら、ベースの外へ出られないのはさぞ窮屈だっただろうと思いましたが、若い兵士達に話を聞いてみたところ「まるで拘留されているような気分」と言っていました。
ですから今はのびのびとコンビニのホットスナックを食べながら歩いているアメリカ人や、コンビニで酎ハイを大量に買い込んでいる彼らを見ると、まるで春の訪れを待ちわびていた雪国に暮らす人々のように思えてしかたがありません。

3.グロサリーショッピング

筆者はもともとあまりカミサリーには行かないのですが(だってあそこは文化圏としてはフィリピンなんですもの。彼らはカスタマーサービスというものを知らないのでしょうか)、shelter in place中はさらに足が遠のきました。といいますのも、social distancingを遵守するため、一度に入店できる人数が限られており、入店を待つために整列する場合ももちろん等間隔を保って待つのです。
やっと入れた!と思うと、次はできる限り早く買い物を済ませて店を出る!自分と同じように並んでいる人がいると思うと、やはりゆっくり見ることはできませんでした。
そこで改装を経て再開したショッピングモールCoaskaに行こう!と思ったわけですが、筆者は夫の扶養家族でSOFA sponsoredのため、横須賀基地がoff-limits(立ち入り禁止区域)と決めたショッピングモールに該当してしまうCoaskaには行けませんでした。
この記事を書いている8月2日現在はCoaskaにも入店できるようになりましたが、だいぶ雰囲気が変わって驚いています。ブラウンを基調にしただけで、前よりもずっと良い。前は「これぞ田舎のフードコート!」という感じがしたのですが、その感じが薄まったかな。でも雰囲気がよくなった反面、何も買わずに陣取っている高校生の集団がいたりして、あれはよくないなぁと思います。

4.規則を守らなかった人はどうなったのか

立ち入り禁止とされる範囲は徐々に狭くなってきており、筆者も夫とともに外食できるようになりました。なんと居酒屋にも入れる!(だけどチューハイスタンドはいまだに禁止)ところが現在よりも行動が厳しく制限されていた頃、やはりその規則を守れない人がいたわけです。
オフベースのサロンでカットとカラーリングをしてもらった髪の毛やネイルを誰かに見せたくて我慢ができなくなった女性(アメリカ人かフィリピン人かは不明)が、それをSNSでシェアしてしまい、軍に通報されて夫婦共々アメリカに帰国させられたそうです(ただしこれは佐世保基地での話)。
横須賀基地のケースは、オフベースのお店でタトゥーを入れてもらったり、居酒屋で盛り上がっているところを撮影してSNSでシェアして、これも通報されてアウト。彼らもアメリカに帰国させられました。規則を守っていない人は他にも大勢いるのでしょうけれど、彼らはきっとこっそりと破っているはず・・・。

5.Honchはどうなっているの?

4,5月は多くのバーが休業していたようですが、8月1日現在ではあのSoul Embassyなども営業をしています。ところが若い米兵達で賑わうことで有名なGREENHILLは、いまだに休業中・・・。

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すし詰めで飲んで踊ってこそGREENHILL!という感じもするので、このお店でsocial distancingを実施するとお店の雰囲気ががらっと変わる分、今後の運営方針にも影響してくるでしょう。
もう大昔の話ですが、このお店の前を通りかかった時、窪塚洋介さんがまったりと飲んでいたのが印象的でした。あの時の彼ほどchillという形容が似合う人はいない。
GREENHILLで、皆が笑顔で祝杯をあげられますように!


以下は横須賀基地とは関係ない、筆者の個人的なことです。

6.Shelter in place中に感じたこと

「美味しいものが座っているだけで出てきて御皿洗いもしなくていい」ということがどんなに幸せなのか、思い知りました。

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久しぶりに大好きな喫茶店に行き、そこでいただいたコーヒーとシナモントースト。
お店の扉は開けられたままで換気もちゃんとできています。ああ、幸せ!
外食することも制限されていた頃、自分達で作ることにも飽きてくると、「明日は絶対にキッチンには立たない。三食すべて買う!」という風にしてガス抜きをしていましたが、そうやって気分転換することで途中で腹をくくりました。
これからはもっと自分達自身をもてなす方法を学ばなければならない、と。そこで巡り合った一生ものの2冊の本。

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左側はキャンセル待ち1000人以上!日本で一番予約の取れない料理サロン「boa mesa(ボアメーザ)」を主宰されている若林三弥子さんの「ようこそ、幸せのテーブルへ 北鎌倉ボアメーザの美味しいおもてなし」。生活レベルが自分と全然違う有閑マダムのおもてなし本を読んでどうするの?と思ったでしょう?
確かに海外で接待の経験を積み重ねた女性による、洗練されているのにどこか温かさが感じられるテーブルセッティングと同じようなことを我が家でできるとは思えませんが、日本の四季の美しさを享受しながら、大切な人と過ごす素晴らしい時間を演出する方法を学習するよい機会になりました。
右側は島津修さんの「いちばんくわしい魚のおろし方と料理」。

「食べたかったら自分で作ってみろ」と思ったのがきっかけで買った一冊。一生使える決定版!とありますが、本当に使える!かわはぎの肝じょうゆの作り方もちゃんと載っていました。
小学校の家庭科の授業で魚をおろしてそれがトラウマになり、それ以来魚は切り身しか買ったことがありませんでしたが、今回のShelter in placeがきっかけで再び魚と向き合うことになりました。

横須賀市も確認されているだけで一日一人のペースで感染者が出ています。今後もしばらく三密を避けて、日々の暮らしを楽しみましょう!

関連記事:【訂正あり】横須賀中央ふらつ記(26)コロナウイルスの脅威で静まり返る街 - Inside the gate