Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

中村川を隔てた二つの異なる世界

観光客から見たら「ここが横浜」という光の当たる横浜を散策した日記を公開しましたので、今回は影の部分を書きます。

光の当たる横浜:何度散策しても飽きない不思議なスポット 横浜・山手~関内 - Inside the gate


影の部分はこの川の存在なしには語れません。関内方面を背にして見てみた中村川

f:id:usmilitarybase:20180411000129j:plain

子の境界線を挟んで向かって右側にはお洒落な元町、そしてその先には高級住宅街の山手、左側は日本三大ドヤ街の寿町があります。
寿町という場所柄、携帯電話やカメラを出して撮影するのは危険なため(借金取りから逃れるため、など諸事情で潜伏している人が多いという噂)、撮影できたのは一枚だけ。

f:id:usmilitarybase:20180728203442j:plain

寿町にはこのような簡易宿泊所がたくさんあります。
実際に宿泊してみた人の書いたブログ記事が面白かったのでシェアします。

横浜にあるドヤ街「寿町」へ行ってみた - 30代メンヘラ無職のブログ


私が寿町に興味を持ったのは「横浜コトブキ・フィリピーノ」という書籍を読んだことがきっかけでした。横浜の底辺で雨露をしのげるだけで幸せだろうというレベルの粗末なアパートに暮らし、切り詰めて母国に送金し続けるフィリピン人達の生活の様子が、フィリピン人の視点から描かれていました。フィリピーナ大好き!という中年(あるいは初老)の日本人男性以外が書いたフィリピン人に関する書籍というのは、もうそれだけで読み応えがあると思い購入しましたが、期待以上のものでした。
アパートに住める彼らはまだよい方で、中村川沿いに張ったテント(もちろん違法)で暮らす人々の生活を私はこの書籍を通じて知りました。
実際に寿町を歩いてみて感じることとして、まずおじさんが多いということ。このエリアの居住者(一時的な潜伏者を含む)の人口構成のほとんどが中年以上の男性なんじゃないかな。この町から出たらもはや生きていけないのではないかと思う人も大勢見かけました。ボケるにはちょっと早すぎるのではないかと思われる年齢のおじさん達の中に、視点が定まっていないような状態でとぼとぼ歩いている人が多いのが印象に残りました。
それからこの混沌とした町の一角にデイケアサービスの施設があることに驚きました。他にも気づいたことがあったらあとで書き足していきます。

続いて松影町


寿町とはまた違う雰囲気ですが、ここも夜の女性の一人歩きはやめたほうがいいですね。
私の知り合いが横浜市内で引っ越しを考えていた頃、お洒落なエリアに近くて少しでも安い物件を探していたらほとんどがこの松影町だったそうです。横浜市の中心部でこの安さ・・・・そして安さには当然理由がありますよね。
いくつか物件を見せてもらったそうですが、入った瞬間になんともいえない重い空気を感じ、よく見てみたら壁に消しきれなかった血痕(飛び散っていた)のようなものまであったそうです。
次回は曙町に行ってみたいと思います。このエリアも横浜の中では影の部分になりますが、寿町や松影町と違って闇を感じなさそう、というのが私の想像です。
汗っかきの自分にとって、酷暑が続く間はどうしても出不精になりがちでしたが、そろそろ涼しくなってきましたから、散策再開!

関連記事:雨の夜の日ノ出町はデートに最適だと思う理由 - Inside the gate

 

持ち物を見ただけで苦手意識を感じてしまう人

f:id:usmilitarybase:20180901170757j:plain

自分でこんな風にツイッターのプロフィールに書いておきながら、DEAN & DELUCAのランチバッグ(小さめのトート)をサブバッグとして持っている女性像というものが抽象的でした。すると読者の方からこんなコメントをいただきました。

ところで、この記事からはずれてしまいますが、Twitterの左端のアベマリア様のお名前下の「DEAN&DELUCAのサブバッグを持っている女性に嫌われるタイプです」というのが気になります。(笑)

(↑Mira様、覚えてらっしゃいます?)

その人の持ち物を見ただけで「あ、なんか無理」と全否定するわけではないのです。ただ自分とは合わない人だと思ってしまうんですよね。たった持ち物一つでその人の何がわかるというのかといわれると、もうそこから先は私の主観というか思い込みでしかないのですが、それゆえにあちらも私を「苦手なタイプだわ・・・」と思っている確率が高いということです。だからこのようにプロフィールに書きました。苦手な人種のカテゴリーに無意識のうちに振り分けてしまうタイプの人達というのはいるものです。

DEAN & DELUCAのSサイズトートをサブバッグにする女に対する私の思い込み

お話してみると意外と面白い人もいるかもしれないとかそういうフォローいっさいなしでいきます。

  1. もしも私が会話の中でジャムと言ったら、D&Dは自分が話す番になったらコンフィチュールと言い直してかぶせてこないと気が済まない
  2. 頻出単語が「ほっこり」(話し言葉も書き言葉も)
  3. おそらくお洒落ないい物を着ているのだろうけど、ミニマルを極めるには素材(本人)が貧相すぎる


外部関連記事(「SEIYU」って書かれたトートバッグ持ってる人はいないじゃん!! を読んで爆笑しました。確かにそうですよね )

blog.livedoor.jp

このように苦手意識を持ってしまう人種との棲み分けを可能にしてくれたのが横須賀基地です。でもそれは接客業に就いていた時の話。事務職に移ったらやっぱりDEAN & DELUCAのトートバッグ系の日本人女性は結構いました。彼女達ともうまく共存しなくては、と思うと肩に力が入りました。
あとね、横須賀基地のDEAN & DELUCA系の女性と一緒に働くことになったら英語力なんて無用の長物ですよ。自分達よりも英語らしい英語(英語で考えて英語で話していることがわかるような、伝わる英語)を話す人間の存在が彼女達にとって面白いわけないじゃないですか。

関連記事

Market Basketに行ってみた知人の話を聞いてみた

横須賀基地のメインフードコートに新しくできたMarket Basketというお店に行ってみた友人の話です。

「新しいお店なので清潔感があってよいし、食べ物も美味しそうに見える素敵なプレゼンテーションではあるけれど、重さでチャージされるのでちょっと凝ったフルーツサラダなどを作ろうとするとえらく高くなる。この間なんて気がついたら25ドルくらいになっていたから、それならCPO ClubやOfficers' Clubのブランチに行った方がいい。試しに一回だけ行ってみるといいよ」

このMarket Basketなのですが、私のアメリカ人の知人は皆聞いたことがないそうです。本国でもあまりメジャーじゃないのでしょうね。このお店を入れるくらいならChiptoleやChick-fil-Aを入れればいいのになぁと思いました。
私も一度実際に行ってみたらまたレポートしようと思います。

米兵から見たフレンドシップデー

 

米海軍横須賀基地で毎夏恒例のフレンドシップデーが行われ、今年も多くの日本人が訪れました。

今年は人の入りが昨年に比べて少なかった気がすると、当日ベースで働いていた友人は言っていましたが、それでもやはり混乱はあったそうです。以下はメインゲートで憲兵として働くアメリカ人からきいた当日の様子です。
「フレンドシップデーに来る日本人客は、三笠公園内ゲートからの入場ということを知らない人が大勢メインゲートにやってきて、あたりまえのようにIDを見せて入ろうとする。だからその度に三笠公園内ゲートに行くように促さなくちゃいけなかったんだ・・・この暑さの中でだよ?あれはやられたよ。それからさらにすごいのが、歩行者用のゲートだけでなく、カーレーンに堂々と入ってくる日本人(苦笑)!そして彼らをUターンさせるんだ。ああ、このchaosが一年に数えるほどでよかった。月一のイベントだったら体がもたないよ」

お疲れ様でした・・・・。

おそらく現在も同じだと思うのですが、私が働いていた頃は、フレンドシップデー当日になるとここから先は日本人客は進入禁止というエリアには黄色いテープが張られていました。従業員はフレンドシップデーはまとまった休憩なしで働きますから、トイレに行きたい場合、日本人客でごった返すトイレではなく、黄色いテープの向こう側にある空いているトイレに行くわけです。
テープの向こう側に行くには、米軍のセキュリティ(MA)にIDを見せて従業員であることを証明する必要がありましたが、運が良いとこのテープの前に立っているMAが知り合いで「はいはい、君が誰だかはわかっているからさっさと行っておいで」とID提示不要で通らせてもらえるのです(本当はやっちゃいけないんだけどね)。
フレンドシップデー当日は、眉毛が汗で流れてなくなり、帰宅して冷水シャワーを浴びてビール350ml缶半分くらい飲んだところで爆睡。憲兵と同じように「これが月一のイベントだったら確実に体を壊していただろうな」と思いました。

KIRINの氷結STRONGはなぜアメリカ人とフィリピン人に愛されるのか

金曜日の夕方~23時くらいまでは、アメリカ人客でごったがえすセブンイレブン本町二丁目店。

f:id:usmilitarybase:20170417034954j:plain

 

ここから出てくるアメリカ人達の買い物袋の中に氷結STRONGが入っている確率の高さは異常。KIRINの営業の方は是非視察にいらしてください。日本に暮らしたことがあるアメリカ人の多くがchu-hiにはまります。「アメリカに送ってくれ~」と催促が来るのもchu-hi(送れないよ~)。その中でもなぜ氷結STRONGがそこまでアメリカ人達に愛されているのでしょう?

DSCF0955

(画像はセブンイレブンとは関係ありません)


その理由は缶のデザインのわかりやすさだと思います。STRONG→強そうだし、フレーバーの絵柄もなんだか美味しそうに見えるじゃないですか。
そしてアメリカ人だけではなく、フィリピン人達にも氷結STRONGファンは多いです。フィリピンだとSTRONGは高いからなかなか買えないため、来日したフィリピン人は安さに驚いて大喜びして買うとのこと。日本語が読めない人にも訴求力のあるパッケージのデザインは強いですね。


f:id:usmilitarybase:20180728195638j:plain

ご近所さんのヤードセールで見つけたグラス。ころんとしていて可愛くて、すぐに手に取ってしまいました。350ml缶一本を一気にすべて注ぎきれる大きさ。ミサイル駆逐艦 USS BARRYのホリデーパーティーの favor(記念品)とのことで「ただで持って行っていいよ」と言われました。乾杯!

関連記事

何度散策しても飽きない不思議なスポット 横浜・山手~関内

若干暑さが和らいだ昨日、久々に横浜を散策しました。こうして歩いてみると、なぜ横浜がデートスポットとして人気なのかわかります。よいvibeが出ているのです。横浜と言っても横浜駅周辺とかああいう雑多な感じは苦手ですが、山手~関内は最高。「あそこに行こう」という目的がなくても、ふらついているだけで気持ちがアップリフトされる散策コースです。

外国人墓地。あまりにも観光スポットとして有名でベタですが、なんかこの日はお墓の下に眠る人々の息が聞こえてきそうな、妙に安らかな空気が漂っていました。

f:id:usmilitarybase:20180726052412j:plain

続いて横浜山手聖公会

f:id:usmilitarybase:20180728031450j:plain

ここまでの道のりを歩いていて、山手ってマイナスイオン出てるよなぁと思いました。夫がここらへんを気に入っている理由がよくわかりました。お金じゃ幸せは買えないっていうけど、やはり瀟洒な住宅街を歩いていると優雅な気分に浸れますし、横浜はデートスポットとして人気があるのもうなずけるというものです。例えば初めてのデートでお互い緊張していても、このコースならたとえ会話が途切れても気まずい雰囲気にならず、むしろちょっとロマンチック。それにこの区画全体が美しく見どころが多いため、会話がもたなくても互いになんとなく楽しい時間を過ごせているような気がするのです。
普段の会話が事務的なやりとりに終始しがちな付き合い始めて長いカップルが一緒に散策したら、それはまた違った楽しさがあるものです。横浜には開港の歴史がありますしね。 
続きましてエリスマン邸

f:id:usmilitarybase:20180726052413j:plain

田舎に帰ると成金がこういう洋館を目指して建てたような悪趣味な豪邸を見かけるのですが、がっかりしてしまいます。背景から浮いてるんだもの。山手に建っているからいいのに・・・。

そしてフェリス女学院(中・高)脇の階段を下りていくと・・・

f:id:usmilitarybase:20180726052415j:plain

一気に雰囲気が変わり、庶民的な住宅地に出ます。中国姓の表札がかなり多くみられるのも、中華街が近くにあるからでしょうか。
そして山下公園

f:id:usmilitarybase:20180726052414j:plain

スノッブな山手の住宅地と違い、誰が歩いていても浮かない、リラックスできる場所ではありますが、不思議とDQNは見かけないスポットでもあります。だから空気がいい(笑)。

そのまま大通りを歩いていくと、横浜市開港記念会館があります。ここの交差点のあたりの雰囲気が大好きです。

f:id:usmilitarybase:20180728040201j:plain

建物も古めかしく重厚な造りのものが多く、けばけばしい看板が皆無。色がアーストーンでまとめられた区画という感じ。それもそのはずです。関内は国土交通省の都市景観100選に選出されているそうです。

もう少し暑さが和らいで来たら、ツイッターで多くの人が絶賛している「カメラを止めるな!」を観にジャック&ベティに行く予定。その時はフォロワーさんがおすすめのストリートもチェックしてみたいと思います。山手や関内から歩いて10分以内なのに、まるで違う世界が広がるあそこらへんに♪

今回は横浜の華やかなエリアについて書いたので、後日は昔ながらの、変わらずにいてほしい横浜の側面について書きたいと思います。


関連記事

insidethegate.hatenablog.com

insidethegate.hatenablog.com

「黒人男性が好きです!」と一発で分かるプレゼンテーションは果たして有効なのか?

男女、人種を問わずアメリカ人によく聞かれることの一つに「なぜ黒人男性を好きな日本人女性は、黒人女性を真似たような服装やメイクをするの?」というものがあります。
「まがいものは天然の引き立て役にしかなれないのに、なぜ?」
これに対し、若い頃の私はこう答えていました。
「わかりやすいプレゼンテーションの方が互いに時間が省けていいからじゃないかな?ブラックっぽいヘアメイクやファッションをした日本人女性を見れば、白人やヒスパニック系のアメリカ人は自分が彼女達のマーケティング対象外だとすぐにわかるから、声をかけないでしょう。それに女性側も自分の好みじゃない人種に声をかけられる煩わしさから解放される。」
だけど自分がアメリカに暮らしたり、ベースで働くようになって、なぜこういう日本人女性をアメリカ人が不思議がるのかよくわかりました。

f:id:usmilitarybase:20180708144023j:plain

(古い?)

アメリカで暮らしていた頃、黒人男性と白人女性のバイレイシャルのカップルを見かけたことは何度かありますが、白人女性は皆「白人女性として綺麗」なのです。黒人女性に近づこうという努力はしていない。これは横須賀基地で見かけた黒人男性と白人女性の夫婦にも言えます。彼らを見ていて、アメリカ人がなぜぶらぱんを見て不思議に思うのか、理解ができました。
要するにぶらぱんのように「黒人がいいの♪」とわかりやすいプレゼンテーションをしているということは、自ずと男性を優位に立たせてしまうのです。
「君が美しかったから恋に落ちた」ではなく「あの子は明らかに黒人好きでこれはいけるという確信があったから気軽に声をかけることができた」から始まる関係は、どうしても黒人男性側が優位になってしまいますから、女性が相当手練手管に長けていないと成就させることはできないでしょう。
わかりやすいプレゼンテーションは確かに好みの人種を引き寄せてはくれますが、それは「黒人専用」と書かれたドアと同じ。それをノックして入ってきてとてもじゃないがlove makingとはいえない、むしろ排泄に近いような行為だけして立ち去っていく男性も、当然やってきます。
私の周りにいる日本人女性と黒人男性の幸せな夫婦で、女性が「いかにも黒人好き」という外見の夫婦が少ないのも、実はここに理由があるのではないかなぁと思います。男性側にしてみれば「彼女は俺が黒人だから好きになったのかな」という疑心を抱かずに済む。

最後はこの動画で締めくくりたいと思います。

振ってぶるんぶるんと揺れるようなお尻がない分上半身の動きでカバー?


関連記事