Inside the gate

米海軍横須賀基地でお仕事をしたいと思っている人達のためのサバイバルガイド。情報が古いということが玉に傷です。英語学習や異文化に関するエッセイも書いています。

メインゲートで抜き打ち荷物チェック

先日メインゲートを通る時に、抜き打ちの荷物検査にあいました。
いつもと同じようにゲートを通ったのですが、セキュリティの人にこういわれたのです。
"We're doing a random bag inspection. "

バッグを地面に置いて、そこから3mくらい離れたところに立つように言われました。そして軍用犬の登場。可愛いよ~。

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Hi, I'm Mark! (軍人さんじゃなくて軍用犬の方です)

私のバッグをくんくんすること数秒。
不審物なし!
検査をクリアしたところで、撮影をお願いしました。Mark君と一緒にいる軍人さんに「Mark君は、お仕事中はやはり頭をなでたりしてはいけないのですか?」と聞いてみたら「なでてもいいんだけど、それが許可されているのは僕だけ」とのことでした。
ところで軍用犬といえば、このマスクすごいですね。 


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「それでも僕はアメリカに帰りたい」

(CNN) 米フロリダ州のフォートローダーデール空港で7日までに、手荷物を受け取る場所で銃撃があり、5人が死亡、8人が負傷した。捜査当局者らによれば、容疑者は検査済みの手荷物の中に入れて銃器を持ち込んだという。

 

こんな風にアメリカでは銃の乱射事件が後を絶ちません。また白人警官による非武装の黒人射殺が原因で起きた暴動など、ニュースを見るたびに気持ちが暗くなった2016年のアメリカでした。

"Baltimore Police"

そんな背景からでしょうか。帰省したアメリカ人達の多くからこんな声がきかれました。

「あと3年日本にいられるよう、日本の基地での仕事を探そうと思う。今のアメリカはなにかと気が滅入るよ」

The Honchで飲んだくれても、女性ですら一人で歩いてベースに安全に帰れる環境。安全で便利で、銃の乱射事件のない日本。
だけどそのぬるま湯から出て、アメリカに帰ろう=It's time,という人達もいました。そんな人達から聞いた中で、一番印象に残ったのはこんなひとことでした。

"It's crazy. It's depressing. It's different....but it's still home. I have to go back."

こう言った本人は、日本が大好きな米兵です。
給与だって日本にいた方が高い。
だけどやっぱり帰るべきところはアメリカなのです。なんだかんだあっても、やっぱりホーム。

関連記事:Honch(どぶ板)やチューハイ・スタンドから卒業できるアメリカ人、卒業できないアメリカ人 - Inside the gate

ベースの外で起こったことに、米軍の警察は手を出せないという一例

ついこの間起きたことだそうです。
このブログでも何度か記事で紹介しているCLUB54のオーナーが、客に暴行を受けました。

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今わかっている情報は、暴行した側はdependant(米軍関係者の扶養家族)ということだけ。扶養家族ですから、配偶者あるいは子供ということですが、どちらかはわかりません。
この暴行した若者は、オーナーの血で汚れた服を着たまま、平気でメインゲートまで帰ってきました。だけどセキュリティは何もすることができません。
ベースの外で起こったことだから、米軍のセキュリティ(MA=Master-at-arms)がたまたまパトロールで通りかかって現行犯でおさえない限り、手が出せないのです。もしも日本の警察に通報されて捕まったら大変なことになっていたでしょう。っていうかショアパトロールはいったい何をやっていたの? 夫曰く"Maybe they were just staring." 税金泥棒だな。
オーナーは病院送りになるほどではなく、仕事にも復帰しているようですが、この若者、もうCLUB54は完全に出禁でしょうね。仮に顔をだしたら、今度はこのdependantがぼっこぼこにされることでしょう。

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寡黙なオフィサー その魅力の秘密(3)

寡黙なオフィサー、モレッティさんの魅力は、夫婦で並ぶと魅力が増すところ。いい女を選んだということが、モレッティさんをより魅力的に見せたのです。
奥様があまりネイビーワイフっぽくないんですよね。じゃあ典型的なネイビーワイフってなんだよって言われると長くなるのでまた他の記事に書きますが、とにかく洗練された大人のカップルという感じ。
black tieのパーティーの時の写真なんて、うっとりしてしまいました。

子供が産まれて開けた道

baby girl

クロエちゃんが産まれて一旦はあきらめた奥様のキャリア設計ですが、実はそのキャリアよりも素晴らしいものを奥様は見つけたのです。
例えばクロエちゃんの画像をFBにアップすると、クロエちゃんが来ている洋服への質問が絶えませんでした(可愛い子が着るとやっぱり違う)。そこでそれをきっかけにビジネスを立ち上げてうまくいったのです。
その結果大忙しになってしまいましたが、モレッティ氏が全面的に家事・子育てをサポートしていました。

スタイルや美学を共有できる同士

夫婦になったら男と女ではいられなくなります。家族になって、日常生活を繰り返すのですから、当然飽きます。そして非日常の刺激を求めて行動に移してしまう。それがバレて修羅場を迎える夫婦のなんと多いことでしょう。
話が脱線しましたが、異性として飽きた後に残る物は、居心地の良さだったり、あるいはともに人生を歩む中で強めた絆や相手への敬意です。
モレッティ夫婦はそれらの他に、美学、スタイルを共有していたように見えました。

Let the bokeh in your heart! 45/366

辻仁成さんの「やっと会えたね」みたいなもので、あらゆるものに関する趣味のよさや洗練を備えた者同士が出会って、やっと自分自身を持て余さずに済む相手、同じレベルで共鳴しあう相手に巡り合えたという感じ。憶測ですよ。
黒やベージュといった地味になりがちな色も、夫妻が着ると、不思議とカラフルに見えたのは、見た目のよさももちろん関係していたけど、スタイルがあったからでしょう。
そんな二人の一粒種の可愛いクロエちゃんでしたが、全身イオンでコーディネートの時もありました。それでも目立つ。ただ可愛いだけじゃない何か=ご両親から受け継いだもの=tasteの良さとかclassがあるんだろうなと思いました。

寡黙なオフィサー その魅力の秘密 - Inside the gate

寡黙なオフィサー その魅力の秘密(4) - Inside the gate

寡黙なオフィサー その魅力の秘密(2)

"What's the origin of xxxxxi? Italian?"
「xxxxxi(魅力的なオフィサーの名字)はもともとどこのものなのですか?イタリア系でいらっしゃいますか?」

" Sicilian."
「シチリア系だよ」(シチリア島はイタリアの特別自治州の一つ)

イタリア系の名字はiで終わるものが多いため、こうたずねてみたのです。まさかこの人がシチリア系とは・・・・。
シチリア島に行ったことのない私にとって、シチリアといえばマフィア、そしてレモンしか思い浮かびませんが、なんだか暑苦しい人々が住んでいそうな場所というイメージでした。
ですからこの淡々とした寡黙なオフィサーがシチリア系と知って、そのギャップでまた加点してしまいました。

anni '50

子供と二人で外食する時は、自分が食べるものを頼まないパパ

このオフィサーをモレッティさんとしましょう。モレッティ氏は躾すらエレガントであるということは、シリーズ1で書きましたが、オーダーするのは娘のクロエちゃんのものばかりで、自分の分はカプチーノくらい。クロエちゃんが食べきれなかったものをつまむ程度だったのでしょう。
「ゆったり食べられないならわざわざオーダーすることもなかろう。ベビーシッターに娘をお願いできる時に、妻とゆっくりディナーを楽しもう」というあきらめが、モレッティ氏の哀愁の一部でもあったのです。

30歳過ぎの女を「恋する乙女」に戻してしまうほどの魅力

モレッティさんがクロエちゃんと来店されると、もうそれだけで私は「今日はいい一日だったな」と思えました。そしてモレッティさんのテーブルを担当するサーバーが近づいてきて「マリアさん、今ただの恋する乙女になってますよ。まさか初恋じゃありませんよね?」と突っ込むのです。
そしてお会計の際、モレッティさんはクロエちゃんにこう言いました。

「ダディは支払いがあるから、そこで座って待っていなさい」

ダディ、支払いだけじゃなくて他のこともしませんか?
そんなことを妄想しながら、PCの画面を見てにやける私はただの変態でした。そしてスモールトークをして、お会計が終わってしまう・・・・。ああ・・・・。
そこで止めを打つのがモレッティさんです。

「マリアサン、ドウモアリガトウ。オヤスミナサイ」

これをぼそっと言うんですよ。暑苦しい(と私は思い込んでいる)シチリア系が。もう私は完全にフリーズしました。日本語が正しく発音できているかどうかわからないから、照れくさいからぼそぼそと言うのでしょう。キュン死寸前でした。
また、スモールトーク中にモレッティ氏にとって私が何を言ったのか聞き取りにくい際に「もう一度お願いします」という代わりに、耳をこちらに傾けるジェスチャーをするのです。そして丁寧に答えてくれる。
ぱっと見は強面だけど(かといって故安岡力也風ではない)、こういうところで温かい人だなぁと思いました。表面ではにこにこしているけど、腹の中では"Jap."って言って見下しているような人は、モレッティ氏のランクであればごろごろいましたからね。

「これはもうストーカー決定」という域に達してしまった

イオン(旧ダイエー)で買い物をしていて、クロエちゃんを見かけた時のことです。ママと一緒でした。私は何をしたかというと、「モレッティさんって何を食べているんだろう?」という好奇心から、マダムの買い物かごを覗いてしまいました(苦笑)。
中身に入っていたものは・・・サッポロの黒ラベルと柿の種。渋い。「なかなかバーに飲みに行く時間が取れない」といっていたモレッティさんが柿の種をつまみに飲んでいる姿を想像してにやぁ~っ。もう私はただのストーカーでした。

「結婚しているのに夫以外の男性にそんなに夢中になるわけ?」と不思議に思っている人もいらっしゃると思いますので、ひとことで説明します。

He was just a crush!

一時的なときめきです。

この一冊を読むとシチリア島に行きたくなる

日本人の英語」でおなじみのマーク・ピーターセン著「ワインデイズ」。著者のワインへの愛、食への愛やこだわりがユーモラスに書かれている一冊。
読んでいるだけでシチリア島のレモンの木の葉が風に揺れる様、そしてその時にふわっと漂う香りが想像できます。それからシチリア島はワインも食事も美味しそう!実際に行ってみたくなること間違え無し。


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「アイスランドには本当の静寂がある」といったふかわりょうさんの気持ちがわかった


毎年夏休みをとってアイスランドに向かう芸人のふかわりょうさん。
なぜ毎年行っても飽きないのか?

「アイスランドには本物の静寂があるからです」

司会を担当している「5時に夢中!」で真剣にそう説明して滑って、その時のスタジオの静まり返り具合から、番組共演者のマツコさん(中瀬ゆかりさんだったっけ?)に「静寂芸人」と呼ばれるようになったわけですが、ふかわさんのおっしゃることが少しわかるようになりました。
アイスランドに行ってきた友人の撮影した画像を見てからは。

「この世の果て」という表現が似合う

私は横須賀のどぶ板にもよく「この世の果て」という表現を使いますが、またそれとは別です。

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どぶ板の場合、そこにある退廃的な空気と、そこで異性を漁り続けるしかできない人達のどん詰まり感を指してこの世の果てと言っていますが、アイスランドの場合、まさに地理的にこの世の果てという感じなのです。

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どこの国から見ても遠くひっそりとした島国みたいな感じ。時の流れの速さの感じ方や、空気の匂いが違いそう。
ちなみに私は日系企業で働いていた頃「あなたの周りは空気がゆったりとしているわよねぇ」とお局様に嫌味を言われたことがあります。空気の読めないマイペースというか、要するにとろいってことでしょ。


話をアイスランドに戻します。
実際に地図で見てみると・・・


なんだかクールミント的な位置。
緯度で言えばスカンジナビア半島やデンマーク領グリーンランドと等しいのですから、鼻毛が凍り付く寒さであることは予想できます。行ってみたいな・・・。

アイスランドの色彩は人工的なものやけばけばしい色がない

友人が撮影した画像を見ていて気がついたのですが、アイスランドは、観光地に限ってかもしれませんが、色彩が独特なのです。
豊かな自然と、その中に存在する人間が作り出したものの境界線があまりないんですよ。自然と言えば、白、青、緑、茶色、黒、そして太陽のオレンジ・・・

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色の名前で選別すると数少ないようですが、実はグラデーションは深くて、人間が造り出したものはそのグラデーションの中におさめられて自然に溶け込んでいる感じ。

そしてぽつんとたっている家もこんな感じ。

Iceland

ね?(この画像に限り友人が撮影したものではなく、flickrからの借り物です)

チェーンの居酒屋と家電量販店の看板が乱立する、日本の首都圏のターミナル駅周辺のあの雑多な感じと比べると、目に優しいと思いませんか?

ふかわりょうさんが滑る音が聞こえてきそうな静寂が、この国にはちゃんとありそうです。

洋書を二度読む理由ーだから私はペーパーバックを買う

なぜニコラス・スパークスの本は読まれるのか - Inside the gateという記事の続きです

洋書を二度読む理由は単純で、過去にも書いたように、洋書をボキャビルに利用する前に、純粋にその作品を楽しみたいからです。語彙力だけ効率よく積み重ねても、テストの得点にはつながりますが、伝わる英語を話せるようにはなりません(テストの得点を伸ばすことだけに洋書を使うと割り切っている人はそれでもよい)。
作品を堪能する楽しみも人として味わって養分にしていかないと、結局「単語・熟語を覚えた」レベルどまりなのです。自分の言葉にする=実際の会話で使いこなすところまではたどり着けないのです。

一度目はとにかくその作品に没頭する

和書、洋書に関わらず、読書をしていると刺さる表現ってでてきますよね。
「私はこの一行に出会うために、きっとこの本を買ったんだ」と思うような表現とか。下手したら一冊丸暗記したい本とかあるでしょう。
そういう部分に遭遇してしまっても、ポストイットをつけたい衝動をぐっとこらえて、純粋に作品を楽しみます。

二回目 ポストイットをつけていく

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二回目になったらようやく刺さった単語や表現をハイライトしていきます。
気になる単語や熟語に遭遇するたびに辞書を引くのではなく、私は書評記事を書く時に便利な細いポストイット - Inside the gateという記事で紹介した細いポストイットをぽつぽつとつけておいて、後でまとめてノートに写します。

ポスト・イット ジョーブ 透明見出し 44x6mm 20枚x9色 680MSH


そして単語帳を作る。だからペーパーバックが好きなのです。ハードカバーだと本を開いたままノートに書き写す作業がやりづらいけど、ペーパーバックだとやりやすい。くたくたになってしまいますけどね・・・。

マーカーでがんがんハイライトしたい人はそうすればよいと思いますが、私は好きな本は時間をおいて(それこそ三年くらい経ってから引っ張り出してきて読むこともある)また読みたいので、ハイライトだらけにしたくありません。

ポストイットをつけるのは以下の二種類です。

  1. いいなぁと思った表現
  2. 意味を調べたい単語・熟語

1.は、単語・熟語としての意味は既に知っているけど、まったく使いこなせていなくて、こんな風に使うのか、という活かし方の学習になったな、と思うもの。

2.は単に「知らない」と思い、且つその中でもひっかかったもの。知らなくても読み流す単語なんて何千とあります。全部拾ってたらきりがありませんからね。さっさと捨てるのも作業のうちです。
だけど知りたい、とひっかかったものには、おそらく何かあるのです。どんなものがひっかかるかは、読む人によって違うでしょうね。

二度読み終わったら・・・オリジナル単語帳を作る楽しみ

さて、二度読むとかなり単語・熟語が定着してきたでしょう。

ダメ押しの三度目はオリジナル単語帳の作成。私はアナログ派でーす。

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出典を書く理由

私は読書専用の単語帳を持っていません。「大人のための自由帳」的なものを一冊持っていて、そこに何でも書いています。
だからメディアをチェックしていたり、フェイスブックでアメリカ人の友人がシェアした引用が面白いなと思ったり、浅く、深く刺さったものをなんでも書き留めたりするため、出典は必ず書いておきます。そうすると後で読み返してみた時に「何これ?」とならないので。
専用の単語帳を用意しているのは1100 Words You Need To Knowのみ。なぜならあの教材は最低三回は繰り返してやると決めたものだから、たった1冊用意しても足りないくらいです。

学校の授業だけで大変なのにのんきに単語帳なんて作ってられるか!と思わないでください。どぶ板通りでf**kやらsh*tといった言葉ばかり使っている薄っぺらい会話しかできないおばさんにならないように、読書をして美しい言葉をストックしましょう。

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The Notebook

◆自由帳は360度開くこれを使っています>>Zequenz360 L レッド 


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